行脚、修業など5連作
米原市の松尾寺にゆかりが深い霊仙三蔵法師の偉業を称える市民グループ「霊仙三蔵 顕彰の会」に13日、法師の偉業などをイメージした油絵5点が寄贈された。
寄贈したのは、さいたま市在住の元高校美術教諭、松井茂樹さん(69)。東京藝術大学卒業後、埼玉県内の高校で美術を教え、各地で個展を開催。日洋展で優秀賞などを受賞している。同会の2代目会長・松井茂雄さんの長男で、虎高出身。河南中学校や長浜養護学校に絵画を寄贈するなど、地元との結びつきも深く、今回、松尾寺の近藤洋子さんの依頼を受け、約1年かけ、制作した。
寄贈されたのは「行脚」「写経」「修業」などをイメージした5部作で、法師が見聞を広めるため、諸国を行脚する姿や写経する様子、祖国への祈りなどを表現している。
連作による大作のため、当面、松尾寺が経営する渓流魚料理専門店「醒井楼」に展示。その後、霊仙三蔵還国記念堂に移す予定。松井さんは「誰も見られていない方を想像して描くのが難しかった。何とか法師を表現できたと思う」と話している。
霊仙三蔵は平安時代前期の僧で、唐に渡り、経典の翻訳に従事。日本で唯一、皇帝より三蔵の称号を与えられている。