名演「よくできました!」 4万人を魅了
長浜曳山まつりは17日朝の「御幣返しの儀」で祭典を終えた。曳山全13基が出場した本日(ほんび)の15日は時折小雨の降る天候だったが、子ども役者が歌舞伎を凛々しく披露し、観客を魅了していた。
長浜市によると15日の人出は約4万人。ユネスコ無形文化遺産登録を記念して全基出場した2017年の7万人と比べると3万人少なかった。
15日は曳山まつりの起源とされる長刀組の太刀渡りがあり、鎧姿の子ども武者が2㍍余りの大きな太刀を腰に下げ八幡宮境内へと練り歩いた。
一番山の常磐山の舞台では吉田櫂さん(10)が扇と鈴を手に三番叟を優雅に舞い、歌舞伎奉納の幕開けを告げた。常磐山は「鬼一法眼三略巻 今出川菊畑の場」を上演。兵法の秘伝書「虎の巻」を盗み出すため平家方の屋敷に身分を偽って潜入する牛若丸を描いた物語で、川村旭弘さん(9)演じる牛若丸が見得を切ると、観客から大きな拍手が沸いていた。
各山は八幡宮で歌舞伎を奉納した後、お旅所へと巡行し、道中の大手門通りなどでも歌舞伎を上演していた。
お旅所には歌舞伎を奉納しない「暇番山」を含め、夕刻に全13基が勢揃い。あいにくの天候のため曳山にはビニールシートが被せられたが、提灯の明かりに照らされた幻想的な舞台で子ども役者が迫力のある演技を見せていた。