家庭のような雰囲気で安心感を 5月開所、0〜3歳の未就園児向け
ひよこ乳児保育園(小堀町)が今川町内で整備していた子育て支援センター「のんびりぴよっこ」が完成し、5月1日オープンする。0〜3歳の未就園児と保護者を対象にし、子育てに悩む保護者の支援を主眼に置いているのが特徴。
センターは木造2階建て延べ194平方㍍。保育室、託児室、相談室、調理室、会議室などを設けている。定員は親子10組ほど。公立センターに比べると規模が小さく、家庭的な雰囲気とスタッフとの距離の近さが売り。「何でも話せる安心感や気安さをお子さんや保護者に感じてもらえれば」と話す。
「育児に不安を感じている保護者が増えているのに、気軽に相談できる場所が少ない」と指摘するのはひよこ乳児保育園の狩野典子園長。「保育所を利用する保護者は、保育所が日々の育児の不安を吐き出す場、安心を得る場になっているが、地域では子どもと2人で閉塞的な環境で子育てする過酷な状態にある方も多くいる」とし、センターでは未就園の子どもを持つ保護者が落ち着き、安心できる場を目指す。
保育園の保育士、看護師、栄養士を招いておもちゃ作り、離乳食作り、身体計測、ベビーマッサージなどの体験イベントの開催、カウンセラーによる個別子育て相談も計画している。開館日は平日の午前9時から正午、午後1時から4時まで。利用は無料。問い合わせはひよこ乳児保育園℡(63)8892へ。
寄付続々723万円 資材高騰で建設費1.5倍に
センターの建設にあたっては資材などの高騰に伴って建設費が当初想定していた金額の約1.5倍となる6200万円に膨らみ、資金計画の見直しを余儀なくされた。このため、450万円を目標にクラウドファンディング(昨年11月20日〜今年1月31日実施)で協力を呼びかけたところ、130人から313万円の寄付があった。また、直接の寄付も410万円にのぼり、総額723万2000円の浄財が寄せられた。
ひよこ乳児保育園は社会福祉法人ははのくに(立岡妙子理事長)が運営。40年前、預けられる保育園がなく困っている母親らのため立岡理事長が自宅で保育したのが始まりで、1984年に無認可の「ひよこ保育所」を設立し、後に法人化した。今回の寄付の呼びかけでは、過去に施設を利用していた保護者や子どもから温かなメッセージと共に浄財が次々と寄せられた。
立岡理事長は20日に行われた開所式で「たくさんの方々からの支援のおかげで今日を迎えることができた。地域の子育てをされている皆さんのほっとできる場所になるよう、地域の方々の交流の場所としてここを活用していただけるよう、頑張っていきたい」などと話していた。