ドローンで3Dモデル作成

法面工事の「大翔」、国交省のDX優秀賞に

 木之本町木之本の建設業「大翔」が優れたデジタル技術の活用事例を表彰する国土交通省の「インフラDX大賞」優秀賞に輝いた。23日、吉田隆義社長(63)ら3人が浅見宣義市長を表敬訪問し、受賞を報告した。

 同賞はインフラ分野において、デジタル技術を活用してプロセスの高度化、効率化などの改革につながる優れた実績をあげた取り組みを表彰するもので、2023年度は全国24社・団体が受賞した。

 土砂崩れを防止する法面保護工事を専門とする大翔は、ドローンを活用した高度な3次元測量技術を用いることで工事対象斜面を3Dモデル化し、デジタル空間で設計や施工をシミュレーションできるようにした。これにより、平面図では見えなかった土中での構造物同士の干渉などの「見える化」を実現している。

 この日は吉田社長、吉田翔太専務(33)、ICT事業部の荒上美夢部長(31)が浅見市長に同社の取り組みを説明。これまで職人が行っていた測量などの作業をドローンによる空撮で3Dモデル化することで設計、施工、管理の品質や安全性の向上、省力化による職人の施工現場への集中などが可能になったとした。ドローンで赤外線やレーザーを照射することで、木々に隠れた地表もち密に測量できるという。

 吉田専務は7年前に長浜市内で開かれた環境産業見本市「びわ湖環境ビジネスメッセ」でドローン技術に出会ったのを機に導入した。現在は荒上部長ら女性4人がDX部門を担当し、男性職人が多い業界にあって設計や管理を主導している。

 吉田社長は「以前は斜面を登って測量して数日かかっていた作業がドローンなら10分。3Dモデル化で職人しか理解できなかったことが、一目で分かるようになり、品質も安全も高まった」と語った。

 浅見市長は「男性の世界で、女性がドローンを飛ばして活躍しているのは素晴らしい。受賞は長浜市にとって誇りになる」などと賞賛していた。

掲載日: 2024年04月23日