職場体験 北ビワコホテルグラツィエが受け入れ

仏料理でテーブルマナー講習も

 新型コロナウイルス感染拡大に伴って各地の中学校で職場体験が中止されていることを受け、北ビワコホテルグラツィエではホテル内での複数の職種体験を提案している。4日には西浅井中2年生23人がテーブルマナー講習を受けた後、パティシエやバーテンダーの仕事を体験した。

 職場体験は中学2年生のキャリア教育の一環で、3〜5日間、地域の事業所で仕事を体験し、働く意義などを学ぶもの。コロナ禍で昨年度からほとんどの中学校で中止となっている。

 北ビワコホテルグラツィエではコロナ禍で各地の小中学校の修学旅行や校外学習が中止・延期となっていることから、長浜市内の観光や歴史学習にホテルでのテーブルマナー講習や職業体験を組み合わせたプログラムを作り、県内の学校に提案したところ、中学校から「職場体験の場として利用したい」とのリクエストがあった。

 4日、同ホテルを訪れた西浅井中生はフランス料理のフルコースを食べながらナイフやフォーク、ナプキンの使い方などテーブルマナーを学んだ。この後、ベルボーイ、バーテンダー、パティシエの仕事のほか、花嫁のヘアセット、客室清掃などを体験した。

 バーテンダー体験ではカシスなど4種類のリキュールを使ってノンアルコールカクテル作りに挑戦。ホテルのスタッフからシェイカーの振り方などを教わって、自分好みのカクテルを作り上げていた。

 パティシエ体験ではショートケーキを作った。シェフの手ほどきで、回転台にスポンジを載せてパレットナイフで生クリームを塗り、フルーツを盛り付けていた。小畑結愛さん(13)は「フルーツをバランスよく盛り付けるのが難しかったけど、意外に綺麗にできた。分かりやすく優しく教えてもらえて良かった」と話していた。

 「コロナ禍で多くの方にホテルを支えていただいた。地域社会への貢献のためにも、恩返ししたい」と語る同ホテルの塩田秀樹支配人。「職場体験を行えずに学校が苦労していると聞いた。ホテルならではの提案ができ、子どもたちのキャリア教育の一助になったのであれば嬉しい。今後も要望があれば受け入れてゆきたい」と話している。

掲載日: 2021年11月05日