平和堂とコープしが、7地域で運行、連携協定結ぶ
食料品の移動販売を通じて過疎地域の高齢者の買い物とコミュニティの活性化を支援しようと、平和堂、生活協同組合コープしが、長浜市、市社会福祉協議会、市内7地域の地域づくり協議会が7日、連携協定を提携した。
平和堂は2021年から甲賀市で「移動スーパー」を運行しており、そのノウハウを生かして4月以降、びわ、杉野、高時、伊香具の各地域で、準備が整い次第、順次運行する。
コープしがは余呉、上草野の2地域で昨年から移動店舗「あったか便」を運行している。新たに「2号車」を導入し、今月26日から西黒田、神田、田根の3地域でも運行を始める。
両社とも軽トラックに300〜400点ほどの生鮮食品や加工食品などを積み込み、各地域の停留所で販売する。
スーパーが近くにない過疎地域では、車を持たない高齢者は近隣住民の支援などで買い物に出ていたが、人口減少や住民の高齢化でそれも難しくなっているという。昨年から移動店舗が赴いている余呉、上草野の両地域では停留所に地域の高齢者が集まっておしゃべりするコミュニティの場ともなっており、見守りや支え合いの観点からも移動販売の役割は大きい。
平和堂は長浜市内で8店舗(1店舗建て替え中)、宅配を行うホームサポートセンター4店舗を展開し、移動販売は初参入。協定締結式で平松正嗣社長は「店舗に行くのが難しいお客さまが商品を見ながらお買い物でき、コミュニケーションも生まれる。お客さまの声を聞き、サービスを向上させたい」と話した。
コープしがは現状の2地域から、5地域へと拡大する。白石一夫理事長は「滋賀県を網羅する平和堂と一緒に地域課題の解決に取り組めるのを嬉しく思う。地域づくり協議会、社会福祉協議会の尽力に感謝します」などと話した上、巡回先の高齢者からの温かい言葉が従業員のやりがい、励みとなっていることを紹介していた。
協定締結にあたって各地域づくり協議会の会長が寄せたコメントでは「自動車の利用が困難な高齢者は隣近所の互助や結いの仕組みにより支援されてきたが、人口減少や高齢化による食品などの購入アクセス困難者が増え大きな課題となってきた」(びわ・伊藤雅明会長)などと地域が直面している課題を示し、移動販売を「歩いて行ける買い物場所は、井戸端(会議)にも通じる暮らしの場として待ち望むものだった」(神田・小川幸男会長)などと歓迎。
「各自治会が協力し、単に買い物という枠から地域住民の交流の場につながっていくように取り組みたい」(高時・山内喜久雄会長)、「移動販売による日常的な生活支援、停留所を活用した交流機会の促進、見守り活動の推進などさまざまな効果に期待したい」(西黒田・高森喜兵衛会長)と、地域コミュニティの活性化や見守り効果にも期待を寄せている。