待合室の一角改修し、地域住民団体が運営
米原市長岡のJR近江長岡駅の待合室に1日、「カフェ ルミエ」がオープン。初日にはオープニングセレモニーが開かれ、地元住民たちがコーヒーを楽しんだ。
長岡、万願寺、西山の3自治会の住民たちが設立した団体「近江長岡大好き倶楽部」が運営する。待合室の一角約32平方㍍の有効活用を以前から模索していたところ、米原への移住者で、市の空家再生みらいつくり隊員を務めている石崎達郎さん(43)・美和さん(38)夫妻、山城真理さん(47)の3人との交流の中でカフェにすることを決めた。市への要望やJR東海との協議などを経て、昨年12月から改装工事を始めた。
クラウドファンディングや市の補助、住民らからの寄付で資金を集めたが、想定以上の経費がかかった。改装費用を抑えるため、空家再生みらいつくり隊の3人や同倶楽部のメンバーたちが床のタイル張りや壁のペンキ塗りなど独自で行った。山城さんは「近江長岡のように古い街並みが残るパリにあるおしゃれなカフェをイメージした」と笑顔で話していた。
ルミエはフランス語で「あかり」の意味で、「山東地域のホタルの光に人が集まるように、多くの人が訪れるお店にしよう」との思いから命名。
店ではオーガニックのコーヒー豆を使用するなど自然素材にこだわり、フードメニューも地元食材を取り入れる。
4月以降のカフェの定休日には地元の野菜や米、手作りパン、土産品などを販売するマルシェを開催する計画。市民だけでなく、市外からの来店客にも楽しんでもらえるような店づくりを目指す。
1日のセレモニーで、山城さんは「きょうのオープンはゴールではなくスタート。地域の皆さんをできるだけ巻き込んで、みんなでお店をつくり上げていき、近江長岡を盛り上げていきたい」と意気込みを語った。
同倶楽部の吉川良幸会長(70)は「オープンしたカフェを見て地域の底力を感じる。近江長岡はおもしろい場所だと思ってもらえるための拠点にしたい」と話した。