「子どもたちと一緒に」住民有志が整備
谷口町でかつて住民憩いの場だった「神田(じんでん)山」を再生しようと、地元の有志が遊歩道を整備。5日、完成記念の山登りイベントがあった。
神田山は集落の奥にある小高い山(標高188㍍)。地元のお年寄りによると、昔は、子どもたちがこの山に登って遊んだり、田植え終わりの農休みには人々が一堂に会し、宴を催していたという。
また、谷口は林業が盛んで、ほとんどの山にはスギが植林されたが、この山だけは低木の広葉樹が自生。見晴らしがよく、麓の集落などが見下ろせる眺望スポットになっていた。
しかし、山に入る人が少なくなり、草木が生い茂るように。地元の人たちは「子どもたちと一緒に、昔の姿を取り戻したい」と昨年5月、有志でつくる「夢追い人」(藤辺匡文代表)を発足。再生に取りかかった。
メンバーたちは集落と山頂を結ぶ道を重機などで開拓。呼びかけに応じた子どもたちも枝払いなどを手伝った。このほか、雑木を利用した看板や階段を設置、ヤマザクラやモミジの植栽も子どもたちと一緒に。延べ130人の力を借り、約1年間がかりで、遊歩道ができあがった。
完成イベントには市内の親子ら75人が参加。新緑に囲まれた遊歩道を散策した。山頂広場では弁当を広げ、宝探しを楽しみ、「初めて登った。風が心地よかった」「今までで一番楽しい子どもの日になった」などと喜んでいた。
グループでは神田山の再生とともに、集落内の公用地(遊園地)の遊具整備なども進めており、藤辺代表は「次代を担う『子どもたちと一緒』が合言葉。交流を通して谷口や自然に愛着を持ってもらえたら」と話している。
なお、夢追い人では仲間を募集中。問い合わせは藤辺代表℡090(8752)3677へ。