調査・研究活動の「入り口」に 学生や研究者の活動をサポート
湖北地域をフィールドに活動する学生や研究者の宿泊滞在拠点となる「フナヤマ リサーチ ハウス」が7月、朝日町の北国街道沿いにオープンする。築100年を超える古民家の趣をそのままに改修している。
地域の文化資源の調査や自治体と協働した事業企画などを行っている中山郁英さん(36)と荒井恵梨子さん(34)夫婦による「合同会社ケイフー」(木之本町木之本)が整備した。
古民家は中山さんの祖父母が住んでいたが、最近、空き家となったことから活用することに。クラウドファンディングで資金を募り、長浜市の伝統的街並み景観形成事業補助金を活用した。
施設は約200平方㍍で、最大8人が宿泊可能。共用のキッチンや居間なども備えている。「過去の記憶を継承する場としたい」と階段タンスなどの調度品、中庭、土間などをそのまま残している。2階の床板を外して開放感のある造りとし、床板は1階のフローリング材に再利用している。
一般的な宿泊施設との違いはターゲットを観光客ではなく学生や研究者にしていること。「湖北地域で何かを調査・研究する際の入り口となるような施設になれば」と中山さん。2人が湖北地域を訪れる学生や研究者らを手引きし「単なる宿泊場所ではなく、初めの一歩を一緒に考える施設としたい」と話している。すでに海外から予約が入るなど、研究者や学生の間で口コミで広がっている。