引き出物 大量廃棄の危機

わたなべ陶器が販売会を企画

 新型コロナウイルス感染症の影響で3月以降、結婚式のキャンセルが相次ぐ中、ギフト商品などを取り扱う「わたなべ陶器」(大宮町)が結婚式の引き出物として配られる予定だった洋菓子やかつお節などを格安で提供する販売会を催すことになった。ブライダル業界では洋菓子などの引き出物が大量廃棄の危機を迎えていることから、販売会で少しでも「フードロス」を解消したい考え。

 同社は結婚式の引き出物などのウェディングギフトを滋賀、京都の式場やホテルに手配する卸売を事業の柱の一つにしているが、3月以降、結婚式のキャンセルが相次ぎ、4月、5月は受注ゼロに。6月も予約はゼロで、7月もキャンセルが出ている。渡辺浩之社長(42)は「4月の緊急事態宣言直後から式場からキャンセルのファクスが次々と届いた。春のブライダルシーズンの売上はほぼ全滅です」を話す。

春のブライダルシーズン全滅で大量の在庫

 引き出物はメーカーから買い取って在庫として一定量を蓄えているが、ブライダル業界独自の賞味期限ルールにより廃棄の危機を迎えている。渡辺社長によると、引き出物は賞味期限が8割以上残っていないと販売できず、今抱えている在庫を秋のブライダルシーズンに持ち越せないためだ。

 また、卸売よりも深刻なのは引き出物メーカー。今春のブライダル用の引き出物の在庫を大量に抱えており、「1ケースでもいいから購入して欲しい」と悲痛な声が届いている。インターネット販売やスーパーの一角を借りての即売会など各社がフードロス解消を模索している。

 わたなべ陶器の販売会は6月4日、ココイロギフトマーケット(八幡中山町)で開催。バウムクーヘンやフィナンシェなどの洋菓子、かつお節、調味料、ふりかけ、インスタント味噌汁など約30種類を定価の半額から7割引で販売する。同社の在庫だけでなく、提携メーカーの在庫も取り扱う。「寿」の文字をあしらったのし付きの華やかな包装の商品も並ぶ予定だ。

 渡辺さんは「このままでは廃棄を余儀なくされる引き出物がたくさんある。購入して自身で消費したり、家族や友人、お世話になっている人にプレゼントしてもらえれば」と語り、「新型コロナで結婚式という人生の節目が失われているが、人と人のつながりが見直されている。縁がつながる大切な場である結婚式・披露宴という素晴らしい習慣を衰退させてはならない」とブライダル業界の再起を応援している。

 販売会は午前10時から。商品がなくなり次第終了する。混み合う場合は入店制限を行う。問い合わせはココイロギフトマーケットtel(68)1147へ。