イヌワシの幼鳥のはく製

伊吹山文化資料館、6月2日から公開

 米原市春照の伊吹山文化資料館で6月2日から、国の天然記念物イヌワシの幼鳥のはく製の一般公開が始まる。湖北野鳥センターによると、幼鳥のはく製は全国的にも珍しいという。

 イヌワシの国内の推定固体数は約500羽。1993年、絶滅の危機にある国内希少野生動植物種に指定されている。日本の猛禽類の中で最大最強といわれ、翼長約2㍍、体重は3〜5㌔にもなり、約100平方㌔を行動圏とする。

 伊吹山にはかつて2組のイヌワシが棲んでいたが、ほとんど繁殖に成功することはなく、現在は1組のみで、幼鳥は昨年、15年ぶりに確認された。

 幼鳥は昨年7月22日、伊吹山の山中で負傷し、うずくまっているところを保護され、翌日、死亡した。翼長約180㌢、体重2・4㌔のオスで生後約4カ月とみられる。

 米原市教委は野生動物の調査研究をしているイーグレットオフィス(米原市下板並)にはく製化を相談。環境省、文化庁の許認可を受け、はく製の第一人者、石川耕平氏(岩手県盛岡市)に依頼し、このほど立派なはく製ができあがった。製作費は95万円。

 同市教委の高橋順之主幹は「イヌワシは伊吹山の食物連鎖の中の頂点捕食者(トッププレデター)。米原が自然豊かであることを感じてもらい、自分の目で迫力ある姿を確かめてほしい」と話している。

 開館時間は午前9時から午後4時半。入館料は大人200円、子ども100円(市内は無料)。月曜休館。問い合わせは伊吹山文化資料館℡(58)0252へ。

掲載日: 2020年05月29日