長浜北星高から2年連続の県代表
長浜北星高校定時制4年の林実生(あづき)さん(20)は、全国高校定時制通信制生徒生活体験発表会県予選で1位となり、11月20日、東京で開かれる全国大会に県代表として出場する。同校からは2年連続の選出。
県予選には6人が参加し、7分以内で日常や学校生活での体験、思いを語った。林さんは「歩み〜私にとっての4年間」と題して、高校生生活を振り返り、自分に関わってもらった人への感謝の気持ちを綴った。
5人きょうだいの林さんは中学3年の時に、母を亡くし、全日制の高校に進学するも不登校となった。スクールカウンセラーのアドバイスで定時制高校に入学したが、父だけの収入では家計を支え切れず、自宅を離れることに。家族が離れ離れになる中、父の膵臓がんが発覚。「何で私だけ、こんな目に遭うのか」と思うようになった。
林さんは昼間、飲食店でアルバイトをしながら、高校に通学しているが、周りに支えられ、笑顔も増え、生徒会長にも選ばれた。
論文では「定時制を選択していなかったら、こんなにも豊かな未来は待っていなかったかも」と振り返り、林さんは教えをもたらしてくれた先生やアルバイト先のオーナー、客たちへの感謝の気持ちを文章化している。
また、「卒業して大人になってゆけば、もっと孤独に思う瞬間があるかもしれない。しかし、この定時制でまだ自分の手に残っている『大事なもの』に気づくことができた。これこそが4年間の歩み」だとし「卒業した後も、あの時、隣にいた仲間が今もどこかで頑張っていると思うことができれば、自分も上を向いて歩いていくことが出来るのではないか」と問いかけ、「気づく機会を与えてくれたのはこの高校。私にとって単なる通過点ではなく、学校以上の場所になりそう」などとまとめている。
林さんは全国大会を前に「こういう機会をいただき、ありがたく感謝したい。おごることなく実感を伝えられたら」と話している。