井上さん 柔道44㌔級全国制覇

浅井小出身 「日の丸背負いたい」

 浅井小出身で徳島県の生光学園中学3年の井上愛翔(あいか)さん(15)=小野寺町=が全国中学校体育大会(全中)の柔道女子個人44㌔級で優勝した。4歳から柔道を始め、浅井小を卒業後は柔道に専念するため強豪の生光学園に進学。新型コロナウイルス感染拡大の影響で全国大会への出場を断念するなど辛苦に耐えながらも、初出場の全国大会で優勝を飾り、「将来は、日の丸を背負って世界の舞台を目指したい」と目標を高く掲げている。

 「もっと環境が整った場所で柔道に打ち込みたい」と、浅井小を卒業後、単身、徳島へ。寮生活を送りながら全国の仲間と柔道に励んできた。しかし、コロナ禍により試合は相次いで中止に。2年生では県大会で優勝し全国大会への切符を手にしたが、コロナの影響で出場辞退を余儀なくされた。「今まで頑張ったことが台無しになったと思ったが、闘志も生まれた。次は絶対に出ようと決意した」と振り返る。

 中学生大会の集大成となる今夏、徳島大会、四国大会で優勝し、22日から25日まで福島県で開かれた全国大会に出場。各都道府県の代表とトーナメント戦で争った。計5試合のうち4試合が規程時間内に決着がつかず延長戦「ゴールデンスコア」にもつれ込む接戦だった。決勝戦もゴールデンスコアに突入し、小外刈りで技有りを奪い、初優勝を飾った。

 全国制覇に「やっと指導者に恩返しできた。日本一に満足せず、もっと努力したい」と未来を見据える。9月には埼玉県で開かれる全日本ジュニア柔道体重別選手権大会に出場する。19歳以下を対象とした大会で、井上さんは地元予選大会で高校生を破って四国代表に選ばれた。出場する48㌔級は、井上さん以外は全員が大学生と高校生。格上を相手に厳しい試合が予想されるが、成績を残せば夢の「日の丸」が大きく近づく。

 全国の大舞台で優勝した井上さんだが、「メンタルが弱くて試合で緊張し、いつも通りの動きができないこともある。緊張しないようにメンタルを強くしたい」と話している。

 小学生時代に井上さんが所属した浅井柔道スポーツ少年団の浅見玄知代表(38)は「小さな努力をこつこつとできる子だった。体重別大会がない小学生時代は体が小さいため、いつも2位、3位に終わっていたが、素質はあった。高い所を目指したいというので一緒に進学先を探した。全中優勝は、指導者として、とても幸せなこと」と快挙を喜び、「あらためて、すごい選手になったなと驚いている。今後にますます期待したい」と語っている。

掲載日: 2022年08月29日