三田町でコウノトリが巣作り

  人工塔以外で長浜初、高圧線の鉄塔に

 国の特別天然記念物コウノトリが18日、三田町の鉄塔で巣作りしているのが確認された。人工巣塔以外での営巣は市内初とみられる。

 湖北地域には数年前からコウノトリが飛来しており、今年2月ごろから4〜6羽が余呉や小谷山付近でよく目撃されていた。最近は旧浅井エリアで頻繁に姿が見られており、18日朝も新興住宅地「西新三田」で3羽が確認された。

 この3羽は3歳のオスとメス、2歳のオス。付近の高圧線の鉄塔に木の枝などが円盤状に積み上げられた巣のようなものが見つかった。

 日本コウノトリの会の安藤博之さんによると、3歳のメスは昨年も木尾町の人工巣塔で巣作りしたことがあるが、繁殖まで至らなかったという。

 これまで湖北地域では米原市長岡で5年ほど前、巣作りしたことがあるが、強風に煽られ、巣作りを断念したことがある。安藤さんは「このあたり(三田町)はえさが豊富で以前から、コウノトリがよく飛来していたところ。人工巣塔以外、長浜では初の巣作りとみられる」と話している。

 これまで市内で繁殖例はなく、地元からは「長浜から初のコウノトリの誕生なるか」と期待が高まっているが、専門家の見解では、ここでの繁殖は条件的にかなり厳しい模様だ。兵庫県立コウノトリの郷公園によると、現在の巣の完成度は20%程度。「時期的に遅く、抱卵は難しい」と述べ、「営巣は毎年、同じ場所ですることが多く、鉄塔周辺での繁殖は感電や衝突(バードストライク)の可能性があり、鳥たちを守る観点から、巣を撤去しなくてはならない」という。

 しかし、公園の職員は「このあたりがコウノトリの安住地となっているのは間違いない。棲みつくかも。できれば安全な人工巣塔で営巣してほしい。今回の巣作りは人工巣塔での営巣や来季の繁殖につながる」と話している。