リモート安産祈願、脚光

1週間 本尊に巻き祈祷、郵送OK

 コロナ禍、拝観しなくても祈祷できる西浅井町大浦、腹帯観音堂のリモート安産祈願が人気を呼んでいる。

 本尊・十一面腹帯観音菩薩は姉川合戦(1570年)の際、寺院排除による戦火を免れるため、池に沈められたとされるが、88年後、別の池の底から見つかった。

 泥まみれの菩薩は「さらし」で清められ、その布が腹帯として妊婦に分けられたところ、皆が安産だったとう言い伝えがあり、日本唯一の「腹帯観音」として信仰を集めている。

 現在は無住のため、遠方の人向けにコロナ禍以前から「リモート安産祈願」を実施。式典やお祓いはなく、腹帯や妊婦帯の持参があったり、郵送されてくると世話方が1週間ほど、観音様の腹に巻いて、安産を祈願している。

 このほか、祈願に際し、妊婦さんに「さらし帯にふれてもらう機会を」と1日だけ、妊婦帯の下に巻く短めのさらし帯を提供。妊婦帯のお腹に当たる部分には「十一面観音菩薩像」のプリントサービスも。また、4種の妊婦帯も用意している。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛や県をまたいでの里帰りができなくなり、海外や県外からの需要が伸びている。世話方の小川俊之さんは「不思議な力を秘めた観音様。祈願の手法を知らない人も多い。リモートでも十分、ご利益、効果はある」と話している。

 祈祷料は送料込みで5000円。希望日(戌の日)の10日前までに発送し、参拝の場合は事前予約を。問い合わせは腹帯観音℡090(5256)8143へ。

掲載日: 2021年03月06日