コロナ禍で「復活」コンサート

独ピアニストの夫婦が初共演

 コロナ禍で長期にわたり帰国できないドイツ人男性ピアニストとその妻で長浜市鍛冶屋町出身の声楽家の支援コンサートが、13、14日午後3時から南浜町のライブ&カフェ「ハウスイゲ」で開かれる。音楽の仕事がない夫婦を支援しようとハウスイゲ盛り上げ隊メンバーらが協力して企画。夫婦は「音楽家としての人生は終わったと諦めていたので本当に嬉しい。私たちの感謝の気持ちを聴いてほしい」と話している。

 夫婦はフロリアン・シャルノフスケさん(40)と真奈美さん(44)=旧姓・草野=。フロリアンさんは2005年にリトアニアのジャズピアノコンクールで2位。13年からはピアニストやアコーディオニストとしてバンドを結成するなど活躍している。真奈美さんは石山高(音楽科)から愛知県立芸大を経て独マンハイム音楽大に留学。オペラなど学んで卒業後はフリーランスの歌手としてドイツ各地で活躍し、現代音楽など様々な歌曲を歌っている。

 夫婦は昨年11月、真奈美さんの父親の体調が悪いためハイデルベルクから父母のいる広島に一家4人で帰国。その後、ドイツはロックダウンで音楽活動が出来ないため戻れず、今年1月からは真奈美さんが育った鍛冶屋町の生家の古民家に移り住んでいる。ドイツでは現在、ロックダウンは一部解除されたが、コンサートは制限されているという。

 2月中旬、仕事がないフロリアンさんの思いを知った地元の男性(66)が仲間に呼びかけたところ、ハウスイゲ盛り上げ隊が立ち上がり、支援コンサートのステージを準備することになった。ハウスイゲ経営の井削小夜子さん(73)は真奈美さんの祖父(元小学校教諭)の教え子で音楽の指導を受けていた。また、盛り上げ隊メンバーの服部美智子さん(67)は音楽家の娘がドイツ人ピアニストと結婚し、逆にドイツから日本へ戻れないため、自身の娘のことのように支援に力を入れている。

 コンサートでの夫婦共演は初めてで、鍛冶屋町で働く鍛冶職人をイメージした新曲演奏や、夫婦でシャンソン曲「オー・シャンゼリゼ」など約10曲を披露する。定員30人。入場料1500円。問い合わせはハウスイゲ℡(72)3138へ。

掲載日: 2021年03月08日