「仕立屋と職人」が新サービス開始
ライフスタイルの変化で着る機会が激減した着物を小粋なシャツに仕立て直すサービスを、小谷上山田町のデザイン・アパレル会社「仕立屋と職人」が始めた。
同社は元地域おこし協力隊員のワタナベユカリさん(35)と石井挙之(たかゆき)さん(37)が立ち上げ、地域のものづくり文化や職人技術の発掘、継承、発信などに取り組んでいる。
その活動の中で、かつて嫁入り道具として嫁ぎ先に持っていった着物が着る機会がないままタンスに眠り、買い取り業者に依頼しても値段が付かないものも多いという現状を知った。「タンスに眠ったまま行き先を失った着物たちは時間が過ぎていくのを待つだけ」と、デザインを加えて日常で楽しめるシャツに仕立て直すサービスを考案した。
サービスは着なくなった着物を引き取り、1着ずつ分解して異なる2〜3着の生地を縫い合わせて新たなシャツを仕立てるもの。同社のホームページにある「着物受継ぎ相談フォーム」で着物の譲渡を受け付け、対価として同社のECサイトで使えるクーポンを発行する。着物を分解して使うためシミや穴あきなど傷んでいる部分があっても引き取るが、着物の状態によっては査定がゼロとなる場合もある。
ブランド名は「シャナリシャツ」。タンスの肥やしが生き返る、廻る着物の小粋なシャツ—とPRし、2人は「新しいより懐かしい。日本人としてルーツを辿るようなブランドをつくっていきたい」と思いを込めている。
シャナリシャツは譲渡された着物を1着ずつ分解して組み立てているため1枚として同じデザインは存在しない。価格は2万2000円から。詳細は「仕立屋と職人」のホームページ(https://shitateya-to-shokunin.jp/)から。