やぶ医者大賞に松井医師

へき地医療に尽力、浅井東診療所

 へき地医療に尽力する医師を顕彰する「第8回やぶ医者大賞」に、浅井東診療所所長・松井善典医師(40)が選ばれた。

 松井医師は地域唯一の診療所で、院外での看取りを望む声に応えるため、介護施設と連携。容体が急変した際に昼夜を問わずかけつける体制を整え、住み慣れた場所で最期を迎えられる環境づくりに尽力。また、市民目線で課題解決に取り組む姿勢も評価された。

 同賞は兵庫県養父市が2014年に創設。下手な医師を意味する「やぶ医者」の語源が、本来は養父にいた名医であるとの説にちなむ。へき地の病院や診療所で5年以上勤務している50歳以下の若手医師が対象。今回は県外から6人の応募があり、北海道松前町の町立松前病院の八木田一雄院長(50)も選ばれている。

 地元出身の松井医師は「故郷に戻って多くの出会いや縁を大切に地道に良質な医療の実践と医学教育に邁進してきた。共に生き、働いている皆さんの支援や連携のお陰と心から思っている。感謝を胸に、挑戦と貢献をこれからも続けていきたい」と受賞の喜びを語っている。

 表彰式と受賞者の講演会は11月13日、養父市内で行われる。なお、同賞の第3回(16年)には長浜市出身で東近江市の永源寺診療所所長・花戸貴司さんも選ばれている。

掲載日: 2021年06月29日