「RICE IS COMEDY」出版

西浅井の地域グループ、240ページの大作

 西浅井町を拠点に活動する地域グループ「ONE SLASH(ワン・スラッシュ)」の著書「RICE  IS  COMEDY  人口4000人のまちで仕掛ける『地域の生存戦略』」が、ローカル出版社スタブロブックス(兵庫県加東市)から全国発売されている。

 グループは西浅井町出身の34〜42歳の男性5人で結成。建設業、アパレル、不動産など異業種の仕事をしながら、「RICE  IS  COMEDY(米作りは喜劇だ)」と銘打った米作りや、各地で米を振る舞う「ゲリラ炊飯」などユニークな活動で全国から注目を集めている。

 2016年に代表の清水広行さん(36)が西浅井にUターンしたのを機に、地元を盛り上げようと幼馴染に声をかけて活動を始めた。メンバーのやりたいことを事業計画書に書き上げ、ビジネスとしても成立することを主眼に置いているのが特徴だ。地元の春祭りの再興、マルシェの開催、100㍍の流しそうめん、農業体験、西浅井ジビエ村—など次々と地域を盛り上げる取り組みを行うとともに、農業の楽しさを追求する米作りを本格化。西浅井の米を全国で振る舞うゲリラ炊飯はその話題性から注目を集め、知名度は全国区となっている。

 同書は結成以来のグループの活動の軌跡、西浅井などの「地域」や米作りへの思い、農業体験やゲリラ炊飯のレポートなどをまとめている。

 同書の制作にあたってはスタブロブックス社長の高橋武男さん(45)が昨年8月から今年5月末にかけて何度も西浅井を訪問して取材した。当初は120ページの予定だったが、気付くと倍の240ページに。「活動を共にする中で、やっていることの幅広さに面白さを感じ、ブックライターとしてスイッチが入った。清水さんらの熱量に引っ張られた」と高橋さん。「ワン・スラッシュは地元を全力で楽しみながらムードを変え、子どもたちがあこがれる地域に本気で創り変えようとしている。全国の地域で活動する方々の行動指針となれば」と話している。

 清水さんは「西浅井でこれだけイケるのだから、どの地域でもイケるはずと、ポジティブになってほしい」「田舎に来てモヤモヤしている人、チャレンジしたい人に読んでもらいたいが、すでに地域で事業や商売に取り組んでいる人にも読んでもらい反応をみたい」と話している。

 A5判240ページ、フルカラー。2000円(税別)。地元の書店やインターネットで販売している。

掲載日: 2023年07月19日