餅の井と世々開長者

中野町の古民家で歴史企画展

 NPO法人「自然と歴史ロマンの会」(丸山竜平理事長)は、中野町の古民家「世々開の館」で、伝説の用水路「餅の井」にスポットを当てた企画展を開いている。

 中野の農民たちは昔、夏場の水不足に悩まされていた。約10㌔上流の高時川から水を引くことを考え、この思いを地元の豪族・世々開長者が浅井久政らに伝えた。

 高時川には木之本町古橋の井明神橋を挟み500㍍の間に6つの井堰があった。水不足を解消するには最上流に堰を設けることが不可欠と考えた長者は約半世紀前、この地を支配していた井口に許可を求めた。長者は井口から課された餅など牛千頭分の荷物の献上など、無理難題をクリアし、最上流に井堰を造ることが許可され、「餅の井」と名付けられたという。

 工事に際しては村と村の間で調停が行われ、困難な掘削に対して多大な労力や資金が注がれた。その介あり、用水は確保できるようになったが、干ばつになると、かんがい時の決まりとして堰の一部を切る「井落とし」が行われた。

 企画展では「世々開長者」や「餅の井」の歴史にふれながら、取水口「頭首工」(木之本町古橋)から中野までの流路の写真、解説パネルなど約100点を展示。先人の偉業を顕彰している。

 会場は専宗寺向い。午前9時から午後4時、14日まで。無料。問い合わせは横田さん☎090(9095)1914。