有機肥料ネットワークのメンバー
木之本町杉野の住民有志でつくる有機肥料 杉野米ネットワークの木下國保さん(68)は「近江米食味コンクール」(近江米振興協会主催)で優秀賞を受賞。地元米のブランド化を目指している同グループからは2年連続の入賞で、喜びの声があがっている。
杉野の田んぼは棚田で、除草や水管理が難しい上、サルや鹿による獣害もあり、収量が少ない。しかし、寒暖差があり、森のミネラルを豊富に含んだ谷川の水を使っているため、おいしい米がとれる。グループの代表・宮前英之さん(68)は10年前、化学肥料などを使わない稲作を開始。地元米のブランド化を図ろうと、木下さんや山根税さん(67)、佐々木與惣雄さん(71)とネットワークを立ち上げ、協力しながら栽培技術の向上を図っている。
メンバーは「量より質」にこだわった米作りを目指し、牛糞による土作り、油カスの施肥などにこだわったところ、「黄金色の稲穂」「魚沼よりうまい」などと評判に。「谷水育ち杉野米」として販売すると飛ぶように売れた。
令和3年度、同コンクール「環境こだわりコシヒカリ部門」で宮前さんが、同4年度は木下さんが110点の中から優秀賞を受賞。メンバーは「外部からの評価を得られた。自分たちがやってきたことは間違いない」と確信を持った。また、ブランド化による若者の就農、後継者の確保を目指す中、今年から木下清則さん(57)が加入し、目標に向け着実に前進している。
4日、野洲市で表彰式があり、木下さんは「子や孫のために安心安全な米を作ろうと頑張ってきた。これからもこのグループで米作りをまい進したい」と語り、宮前さんは「入賞したことで、杉野米を皆さんに知ってもらう、きっかけとなった」と喜んでいた。
なお、同コンクールでは湖北地域から、みずかがみ部門で大森憲一さん(落合町)、環境こだわりコシヒカリ部門でお米の家倉(小谷丁野町)、前田和宏さん(上八木町)が優秀賞を受賞している。