車椅子ユーザーにやさしいスカート

マルチスイッチ、湖北みみの里とコラボ

 車椅子に乗ったまま着付けができる振袖を開発した余呉町椿坂の「マルチスイッチ」(木村寛子代表)は、車椅子ユーザーでも脱着しやすいひざ掛けタイプのスカートを考案。12日、共同開発した聴覚障害者就労施設「湖北みみの里」(米原市宇賀野)でお披露目した。

 カジュアルスカート「スワリオン」はエプロンのように紐で結ぶ「ひざ掛けタイプ」とサイドにチャックがある「巻きスカートタイプ」があり、いずれも座ったままで着脱ができる。

 木村さんは脳性まひで生まれつき体が不自由で、車いす生活をしている。社会福祉士の資格を持つことから昨年4月、地域の女性障害者らとともに輝く生活が送れるよう、「マルチスイッチ」を発足。車いすユーザー用のフォーマルウェアの開発、貸し出しなどをしている。

 木村さんは女性の車椅子利用者の多くがひざ掛けをしているのに気付き、昨年6月、「座ったままの状態がきれいで、まるでスカートを履いているような衣服を」と、「みみの里」で縫製技術を持つ野利田信子さんと中嶋眞弓さんに製作を相談。車椅子でも▽トイレがしやすい▽機能性がある▽きれい▽エプロンのようなシルエットにならない—スカートを開発した。

 この日、お披露目されたのは5着のスワリオン。どれも可愛くておしゃれなデザイン。野利田さんは「幾度も協議を重ね、ようやくできた。成功したと思う」と話し、木村さんは「このスカートを広め、車椅子ユーザーの外出を応援したい」と語っていた。

 木村さんたちは今後、夏向けの衣装などを開発する計画。フォーマルウェアはレンタル。スカートは販売している。問い合わせはマルチスイッチ℡080(9306)7227へ。

掲載日: 2021年02月12日