木造空き家簡易鑑定士養成講習、43人が受講

木造空き家をシルバーが診断

 空き家の耐久性や問題点を調べる「木造空き家簡易鑑定士」の養成が長浜市内で進んでいる。シルバー人材センターの会員を中心に43人が講習を受講し、近く資格を取得する見込みだ。

 「柱の中に白アリがいるかどうかは外から見ては分からない。木槌で叩くと音で分かる」。28日、東上坂町の木造2階建て住宅で、全国古民家再生協会滋賀第一支部に所属する古民家鑑定士の中川明彦さん(47)が受講生23人を前に、柱を叩いて実演して見せた。

 この日の講習は午前中に座学で木造住宅の診断の基礎を学び、午後からは実際に空き家で体験した。受講生は部屋の間取りを方眼紙に書き取り、メジャーを使って寸法を記入してゆく。慣れない作業に何度も中川さんに尋ねる受講生の姿もあった。

 講習会は地域に住む高齢者の力を借りて空き家診断を進めようと全国古民家再生協会とシルバー人材センターがタッグを組んで各地で開催している。中川さんは「これから増え続ける空き家を、古民家鑑定士だけで診断しきれない。元気なシルバーの力を借りる必要がある」と語る。

 

活用か解体か20項目調査

 長浜市が昨年、自治会を対象に実施した調査では市内の空き家率(空き家数/世帯数)は5・7%。市は放置されている空き家110件を審査して、62件を危険性の高い「特定空き家」に認定。うち、29件が解体されるなど問題の解消はいくらか進んでいるが、空き家の総数は増加傾向にあり、放置された空き家が地域住民の悩みの種となっている。

 今後もますます増加が懸念される空き家。中川さんは「空き家の耐久性や安全性を診断することで、修繕・活用するのか、解体するのか、道筋をつけられる。その判断材料をシルバーの皆さんに調査していただくのが簡易鑑定士の仕事です」と説明する。

 木造空き家簡易鑑定では調査票に従って2人1組となって調査する。推定築年数、建物面積、建築構法、雨漏り、改修履歴、水まわり、など20項目にわたる。その他、部屋の間取りや寸法、用途などを記録する。それらのデータを基に一般社団法人住まい教育推進協会が鑑定書を発行する。

 長浜市内での講習会は昨年12月に定員20人で実施したところ募集と同時に枠が埋まり、受講できなかった市民のリクエストに応えて、この日、急きょ追加開催となった。受講生の1人、市内の男性(67)は「自治会の総会でも空き家で困っているとの声が出ている。地域の空き家を活用できるか、解体すべきかを見極める力を自分自身が身につけられれば」と話していた。

 全国古民家再生協会滋賀第一支部の大森敏昭支部長(63)は「今後、田舎ではどんどん空き家が増える。地域のことを良く知るシルバーの皆さんに、空き家問題を解決する仲介役になってもらいたい」と期待を込めている。なお、講習会は4月以降も米原市など県内3カ所で催す。