昭和時代のマッチ箱 勢ぞろい

近江学びあいステーション「思い出に火をつけて」

 米原市顔戸の近江学びあいステーションは、山田裕美館長(68)が県内各地の飲食店や遊興施設で集めた昭和時代のマッチ箱を展示。ほとんどの店が閉店しており、見学した来館者からは「よく行った。懐かしい」との声があがっていた。31日まで。

 山田館長は高校卒業後に旧近江町役場に入った昭和49年からマッチ箱の収集を開始。当時は収集がはやっていたといい「たばこは吸わないけれど、店を訪れてはマッチ箱をもらっていた」と振り返った。ライターが普及する前の昭和60年代まで集め続け、県外を含め300点以上を収集した。

 館の利用者から「仏壇用のマッチを探している」との相談を受けた山田館長は、マッチのみを提供した上で、来館者に昭和時代を懐かしんでもらおうとマッチ箱の展示を企画。長浜や米原、彦根、多賀など県内9市4町の計168点を並べた。

 長浜市内では「珈琲の店イシ」「レストランびわ」「レストラン己高」「レストラン木之本」「ホルモン焼肉 門」「コーヒーハウス エトランゼ」「和風鉄板料理 天久」「ぶぶあん」「喫茶&レストラン  ニューナカムラ」など57店分を展示。そのうち三ツ矢元町にあった「コーヒー&お好み焼きチャンピオン」は、山田館長の夫・英雄さん(享年69)と初めてデートで訪れた店だといい「そこで鉄板をきれいにしていたのを見初められたみたい」と笑顔で懐かしんだ。

 米原市内では「COFFEE SHOPスタンダール」「サッポロラーメン 熊ぼっこ」「ドライブイン山東」「奥伊吹スキー場」などを展示。彦根市内にあった洋食屋「スイス」のマッチ箱について、山田館長は「在校していた旧彦根西高校からの帰り道に寄り、先生に叱られていたことを思い出す」と話した。

 展示会場では来館者に当時の思い出を書いてもらう「マッチ箱でめぐるみんなの思い出コーナー」を設置。記入者には昭和時代から販売されている袋めんを無料でプレゼントしている。

 山田館長は「マッチ箱を眺めながら皆さんの青春時代の思い出に火をつけて、懐かしんでほしい」と語っていた。開館は午前9時から午後5時半まで。月曜休館。

掲載日: 2024年05月14日