子ども歌舞伎名演に「おひねり」飛ぶ

成田市で春日山「釣女」上演、10万人来場

 長浜曳山まつりの春日山が25、26日に千葉県成田市で開かれた「成田伝統芸能まつり春の陣」(同実行委員会主催)に招待され、子ども歌舞伎を披露。その名演に「おひねり」が投げ込まれるなど、出張公演は成功裡に終わった。

 成田伝統芸能まつり春の陣は初代市川團十郎が信仰した成田山で、地芝居や地歌舞伎を通じて地域を盛り上げるイベント。今年は千葉県誕生150周年、成田市制70周年を記念して大々的に開かれ、2日間で約10万人の来場があった。

 春日山は4月の曳山まつりで奉納した「釣女」を再演。分かりやすい演目ということもあり、立ち見も出た会場から大きな笑いと拍手が起き、曳山まつりでは例がないおひねりが投げ込まれた。

 実行委員会事務局の成田市観光プロモーション課は「市制70周年を記念し、念願の長浜の子ども歌舞伎を招けた。成田でも祇園祭があり山車(だし)が出るが、舞台で歌舞伎を披露する長浜曳山まつりを知らない人は多く、皆さん笑い声をあげて楽しんでいた。長浜のPRにもなったと思います」と話している。

 春日山は役者や若衆ら総勢40人が成田入り。曳山まつりの流れを体感してもらおうと子ども歌舞伎だけでなく、しゃぎり(囃子)演奏も行った。曳山を動かす時に演奏する「御遣(おひや)り」、開演を告げる「出笛」、公演終了後の「神楽」、曳山が自町に戻る際の「戻り山」などを奏で、子ども歌舞伎と曳山が一体であることを伝えていた。

 春日山の伊藤寿彦負担人は「子ども役者は長浜曳山まつり子ども歌舞伎のPRの一翼を担えたこと、成田市や関東の方々に曳山まつりを体感していただけたことに達成感を感じている。公演を引き受けて良かった」と振り返っていた。

掲載日: 2024年05月29日