米原の新特産品「花乃伊吹」醸造へ
「米原らしい伊吹ゆかりの酒を」—米原市商工会は新たな特産品作りを目指し、今年から地酒づくりを開始。22日には市内で日本酒の原料となる酒米の田植えが行われた。
米原は米処で「日本の名水百選」に2カ所(居醒の清水、泉神社湧水)が選ばれるほど名水の地。伊吹山の湧き水は硬水で酒造りに適しているとされ、市によると、かつて市内には16軒ほどの造り酒屋があったが、2004年ごろを最後に、日本酒を醸造しているところは無くなってしまった。
商工会では運営するインターネットショッピングサイト「オリテ米原」を中心に、農商工連携事業の一環として地域資源を生かした地酒づくりに挑戦。ブランド化することにより、市の魅力発信と地域経済の活性化を図るプロジェクトを立ち上げた。
プロジェクトは分業化しており、酒米は同市加勢野の中川薫さん(68)が約31㌃の水田で吟醸米「吟吹雪」を栽培。仕込みは銘酒「湖濱」などを手がける佐藤酒造(長浜市榎木町)が、伊吹山の伏流水を利用し、純米吟醸720㍉㍑、1400本を製造する。
名前は公募で「花乃伊吹」に決定しており、現在、ラベルのデザインなどを検討している。
酒米は10月上旬に収穫され、21年1月から醸造。来年4月、新酒が完成する予定で、新庁舎のオープン(5月6日)とともに本格的に売り出してゆく考え。
商工会の日向寛会長は「米原にこだわった酒にしたい。オリテ米原の商品がひとつでも増えたら」と話している。