国際的な感染症に関心を 、長浜赤十字病院の金澤さん報告

麻しん流行のサモア独立国から帰国

 昨年12月、麻しん(はしか)の感染拡大で非常事態宣言を発令した南太平洋のサモア独立国に、長浜赤十字病院の社会課長・金澤豊さん(59)が国際緊急援助隊感染症対策チームの一員として派遣され、現地で患者の診療支援などにあたった。29日、同病院で活動報告会を開き、中国発の新型コロナウイルスの感染拡大を念頭に「国際的に感染症が問題となっている。感染症に関心を持って欲しい」と出席した病院職員に呼びかけた。


 サモア独立国では前年にワクチン接種の医療事故が発生したのを機に接種への恐怖心が高まり、幼児の接種率が31%と低迷。このため、昨年11月から麻しんが大流行し、政府が非常事態宣言を発令して予防接種を義務化。国際社会に支援を求めた。これを受けて日本政府は援助隊を派遣し、看護師である金澤さんも12月14日から29日にかけ医師や薬剤師と共に現地に入った。

 日本の援助隊は地方にある病院と保健センターの2カ所で治療とケアにあたった。現地での約10日間の活動で200人を診療し、うち42人が麻しん患者だった。金澤さんは「日本では感染防御のためマスクをするが、世界的にはマスクをあまりしない。日本人だけがマスクをすると異様に見えるため、地元の信頼を保つためマスクなしでやることもあった」などと、勝手の違う海外の実情を解説した。また、現地ではワクチンの管理体制が不十分だったことから講習会を開き、「ワクチン管理は日本でも大切なこと」と訴えた。

 金澤さんは「世界各国で麻しんが大流行している。撲滅宣言した国でも感染が広がる可能性が高い。我々も対策を講じる必要がある。皆さんも抗体があるか、もう一度の自分のデータを確認して欲しい」と病院職員に呼びかけていた。