嘱託警察犬「空」に感謝状

小谷山で山岳遭難の救助活動に貢献

 今月6、7日に小谷山で発生した山岳遭難で、愛知県豊田市の女性(88)の帽子を発見するなど救助活動に貢献したとして、長浜署は21日、嘱託警察犬「レインダンスJPクームス号」(名前・空(くう)=ゴールデンレトリバー雄8歳)と、指導員の高畑伊津香さん(57)、飼い主の松田泰三さん(66)=いずれも竜王町=に感謝状を贈った。

 小谷城址への観光のため小谷山を訪れた女性が一緒にいた息子とはぐれて行方不明となったのは6日夕方。警察、消防が捜索したが発見できず、翌7日午前7時半から捜索を開始した。

 高畑さんは捜索により山中で人のにおいが混ざることを懸念し、午前5時に空とともに竜王町を出発し、捜索開始前の午前6時半に小谷山に入った。空は山頂で高畑さんの「サーチ」の合図で女性の手袋のにおいをかいで捜索を開始。わずか10分で山頂付近の斜面に女性の帽子が落ちているのを発見した。その後、帽子から400㍍程の沢沿いで座り込んでいる女性が発見され、無事に救助された。帽子が発見された場所も女性が座り込んでいたところも登山道から離れていた。

 この日、井上和幸署長から感謝状を贈られ、松田さんは「空はスーパー犬。すごいなぁ」と体を撫でて褒め、長浜署はボール遊びが好きな空のためにボールをプレゼントしていた。

 生後6カ月から訓練を始めた空。当初は災害救助犬を目指したが、高畑さんによると足場の悪い場所を嫌う性格だったことから災害現場は不向きと判断し警察犬を目指すことになった。過去にも山岳遭難者や行方不明者の捜索で活躍し、2回表彰されている。

掲載日: 2023年12月21日