三百年前の芳洲先生、平井さんが小冊子発刊

「朝鮮外交の苦難」など紹介

 高月町、雨森芳洲庵の元館長・平井茂彦さん(74)は朝鮮通信使に随行し、外交に尽力した儒学者・雨森芳洲の手腕についてまとめた小冊子「三百年前の芳洲先生」を発刊した。

 芳洲は正徳元年(1711)と享保4年(1719)の2回、対馬の真文役(通訳)として、使節とともに江戸へ行っており、今年、2回目の通信使から300年目にあたる。

 通信使の製述官(外交官)だった申維翰(シン・ユファン)は日本紀行「海游録」で、日記風に通信使とそれを迎える日本側の様子をつぶさに表現。これを京都・花園大学の姜在彦教授が訳した。

 平井さんはこの中に登場する芳洲関連の記事33カ所をピックアップ。冊子では役務の苦労や芳洲の言動を通して、外交の難しさなどを紹介。自らの感想を述べている。

 対馬で芳洲と申維翰が出会った場面では、芳洲は8年前の通信使の知人のことを持ち出し、親交を深めようとしたが、2人の年齢差が大きく、重い雰囲気が感じられる。

 その後も両者の考え方の違いから、ゆく先々で対立が生じているが、朝鮮語が堪能だったため、言葉の壁は無く、談笑したり、意見を交わしながら、主張を貫いていることが伺える。

 平井さんは「このことは現代にも引き継がれていて、外交官の苦労は絶えない」「300年前のことが、現在の出来事のように伝わってくる」と述べている。

 A4判、14ページ。希望者は1部500円で領布。問い合わせは雨森芳洲庵℡(85)5095へ。