ミズアオイ守り続け20年、西浅井町岩熊の竹内さん

昼間しか咲かない希少種、見ごろ迎える

 昼間しか咲かない希少植物を守り続け20年—西浅井町岩熊の竹内勝七さん(77)方の畑で、水草のミズアオイ(水葵)の花が見ごろを迎えている。

 ミズアオイは万葉集にも詠まれ、古くから水田や沼など湿地に自生する単年草。可憐な青紫の花をつけ、葉の形が葵に似ていることから、この名がついた、とされる。

 水生植物公園みずの森(草津市)によると、ミズアオイは除草剤や農地の整備などにより、減少。環境省レッドリストの準絶滅危惧種で、現在、県内ではほとんど見られない、という。

 岩熊では昔、干拓地に群生。絶滅していたと思われていたが、新岩熊トンネルの整備に伴い、20年ほど前、大学教授が周辺地域の生態調査をしたところ、田んぼに生えている少量のミズアオイを発見。教授は「水田の中に自生する水草の中で特に大型で美しい花。観賞価値が高い」などと旧西浅井町や県に保護を訴えた。

 現地での存続は難しく、別の場所に移植したが、猿害により、絶滅。これをみかねた有志団体が岩熊での栽培を開始した。ところが手入れが大変で、町からの助成が廃止されると、育てる人がいなくなった。1人残った竹内さんは「あまりにもきれいな花。守り続けたい」と、10株ほどを自分の畑に持ち帰り、移植。世話を続け、現在は約40㌃で約3000株までに増やした。

 ミズアオイは午前10時から午後3時ごろまで、1日限りしか咲かない。竹内さんによると、今年は開花が例年と比べ遅く、見ごろは10月10日ごろまで続く、という。