からくり人形が能を舞う 、近江孤篷庵で

「能楽・拍楽座」、関西初の公演

 県の名勝に指定されている「遠州好み」の庭園がある近江孤篷庵(上野町)で19日、からくり人形の能舞台(小堀遠州四酔会など主催)があり、約80人の観客を魅了した。

 愛知県犬山市の「能楽・拍楽座」(玉野宮夫代表)は国内で唯一、日本を代表する人形師の2代目・萬屋仁兵衛のからくり人形で能を演じている。

 この日は庭園をバックに2006年のパリ公演のため、パリジェンヌが好む顔立ちに作られた人形による「三番叟」と安珍・清姫伝説を題材にした「道成寺」を披露した。

 人形たちは笛や鼓の音に合わせ、厳かな舞を踊り、一瞬にして、般若や鬼に顔が変わる「面かぶり」の場面では大きな拍手が送られていた。

 上演後は玉野代表によるからくり人形の解説があり、4人が25本の糸で操っていることなどを説明した。玉野代表によると、からくり人形公演は関西で初めて。「美しい庭で上演させてもらい、人形たちも喜んでいたのでは」と話していた。

掲載日: 2019年10月21日