【寄稿】私たちにできること

浅井東診療所所長  松井善典

 長浜市内に新型コロナ患者が発生して1週間経過しました。私たちに何ができるのでしょうか?

 冷静に情報収集をしましょう。混乱を予防するための情報が行政や医療機関から出ています。デマや噂に巻き込まれないように、情報源の確認や感情的な反応をしないように一人ひとり努めましょう。

 あなたの動きを最小限にしましょう。人が動けばウイルスは動き、人が止まればウイルスも止まります。運動や生活のための買い物は距離を取りながら続けてください。あなたの活動や外出の20%くらいを止めても感染は拡大し続けますが、80%程度止めたら感染の拡大は止まります。

 接触感染と飛沫感染の予防を続けましょう。法事や親しい人同士の集いなどはコロナにとっては願っても無いチャンスです。人と人が会うことや親しく会話すること、生きる歓びとも言えるそのような機会がコロナの生き延びる戦略です。それがわかった今、3密(密集・密閉・密接)だけを避けながら基本的な感染対策を続けることこそ私たちが生き延びるための戦略です。

 流行の多い地域との往来は極力減らしましょう。市内発生した患者さんのように濃厚接触者が限られている場合、次の市内発生のコロナ感染患者も市外から持ち込まれる可能性が大です。特にリスクの高い方や高齢者のいる家庭・施設への訪問は止めましょう。亡くなるのは体の弱い人と運の悪い人からです。

 感染した人を非難し差別的に扱うのはやめましょう。感染した方の行動を責めることもやめましょう。非難や攻撃が強くなるほど、人は感染を隠し感染経路を正直に言う気持ちが遠ざかります。それはコロナにとって感染を広げるために都合がいい社会になります。悪いのはウイルスであって、人ではありません。かかりたくてかかる人は一人もいません。感染経路が追えたり濃厚接触が把握できたりするために過度な批判を避けてください。感染対策を続けられる社会を保ちましょう。

 無症状でも感染している可能性を自覚しましょう。感染はクラスターだけではなくなりました。不安な一言をすみません。でも、そう思って行動することがあなたの大切な人や社会を支えている仕組みを守ることに繋がります。熱や風邪の症状があっても家で休めそうな体調なら、医療機関へは行かず家で安静にしていましょう。管理職や上司の皆さんは「コロナではないか見てもらってこい」「診断書をもらってこい」という一言を我慢しましょう。「風邪だと思ったら、体調が悪いなら休んでいいよ」という会社や社会にすることで、特に医療機関での感染リスクが減って、コロナが生きにくい社会がつくれます。

 軽い症状であれば受診を控え医療機関の機能を守りましょう。体調の変化や不安がありどうしても受診したいで場合は電話で医療機関への相談はできるはずです。いきなり受診せず、医療機関に電話相談することはお互いの感染予防になります。また現時点でのPCR検査は担当や専門の医師の判断で慎重に決めます。検査をすることで長浜市内の入院ベッドが1つ減ります。今の医療資源であれば、本当に検査が必要な人のみに検査を提供する必要があります。感染が拡大した時に貴重な入院ベッドと動ける医療者を守ることが、皆さんを守ることに繋がります。助けられるはずの命が救えるための医療体制を皆さんで守りましょう。

 明けない夜はありません。そのためには新型コロナによって新しい暮らし方・生き方・考え方を見つけること・身に付けることが必要です。みんなの命やそれを支える医療資源を守るために、一人ひとりがこれまでの行動を変えることです。「自粛要請」は皆さんの行動が信じられているからこそ、法律で人権や自由が守られているこの国からの精一杯の言葉です。