「湖のスコーレ」市街地にオープン

醸造室、喫茶室、図書印刷室など多彩な機能

 長浜曳山博物館の西側エリアで行われた「元浜町13番街区市街地再開発事業」の核となる商業文化施設「湖(うみ)のスコーレ」が23日、オープンした。

 施設は約1284平方㍍で、再開発事業で整備された施設のうち1階と2階の一部からなる。醸造室、チーズ製造室、喫茶室、発酵スタンド、ストア、図書印刷室、ギャラリーなどがある。「スコーレ」はギリシャ語で「学校」を意味し、「つくる人も、買う人も、売る人も、それぞれの中に小さな学びのきっかけが生まれる場所でありたい」との思いを込めている。

 醸造室には彦根市の「ハッピー太郎醸造所」(池島幸太郎代表)が入居。今後、湖のスコーレに拠点を移して味噌や甘酒などの発酵食品を製造、販売する。また、来年早々には酒造免許を取得してどぶろく醸造も始める。

 発酵食品や県内の食材を取り入れた飲食を提供する喫茶室では酒粕と熟成味噌が香る「伊吹山発酵カレー」、甘酒のような風味とチーズのコクが楽しめる「米麹チーズケーキ」などを楽しめる。

 ストアは奈良市の人気カフェ「くるみの木」を経営する石村由起子さんがプロデュースし、全国から集めた家具や生活道具、雑貨などを並べている。

 図書印刷室には約3000冊の新刊と古書が並ぶ図書コーナーと、ライスインクを使ったリソグラフ印刷機を設置した印刷コーナーからなり、今後、印刷ワークショップなどを開催する。

 ギャラリーは図書印刷室の上階にあり、甲賀市の障害者福祉施設「やまなみ工房」の平面作品を展示、販売している。

 再開発事業は旧商業施設「パウビル」の解体と合わせ一帯6150平方㍍を再開発したもの。建物は2020年3月に完成していたが、コロナ禍の影響で事業計画の具現化が遅れた経緯もあり、22日の内覧会では、施設を運営する「湖北ライフスタイル研究所」の月ケ瀬義雄社長が「ようやくオープンにこぎつけ、感無量」と語った。月ケ瀬社長はかつて黒壁の保存と活用、旧市街地の再生に取り組んだ実績があり「久しぶりにまちづくりに挑戦する」「黒壁、えきまちテラス、湖のスコーレが三位一体となって、新しい長浜を活性化したい」と話していた。また、施設開設に奔走してきた長浜商店街連盟会長で副社長の沢田昌宏氏は「このレベル高い商業施設をうまく生かし、何回もお越しいだける施設に育て上げたい」と語った

 営業は午前11時から午後6時まで、火・水曜定休(28日〜1月5日休業)。

掲載日: 2021年12月23日