米国学生ら5人、国際観光サポーターに

「長浜を宣伝して!」市が委嘱状を交付

 長浜市は3日、富田町に伝わる人形浄瑠璃「冨田人形」を学んでいた米国の学生ら5人を長浜国際観光サポーターに委嘱した。日本の伝統芸能に触れた学生らは7月30日の公演を無事に終え、間もなく帰国する。

 冨田人形は江戸時代に大雪で興行できなくなった阿波の人形一座が、旅費代わりに人形一式を置いてゆき、その人形を使って住民たちが浄瑠璃を始めたのが起源とされる。その伝統を継承している冨田人形共遊団は1994年から海外で公演し、米国で出会った学生が日本に研修に訪れたのを機に2002年から外国人学生が地元にホームステイしながら人形浄瑠璃を学ぶ「冨田人形サマープログラム」を行っている。

 今年はコロナ禍が明けて3年ぶりに学生を受け入れ、19〜34歳の男女5人がこの2カ月間、共遊団の指導で稽古に励み、7月30日の冨田人形会館での公演を成功させた。

 市は2014年からサマープログラムを受ける外国人学生を国際観光サポーターに委嘱して、長浜市の魅力を世界に発信しており、その縁で2019年の冨田人形ロシア公演が実現するなど、成果が出ている。今回の5人の委嘱でサポーターは計51人となった。

 この日、市役所で行われた委嘱状交付式では浅見宣義市長がすでに帰国した1人を除く4人に委嘱状を手渡し、「長期の研修で貴重な体験をされた。帰国後、『長浜大使』として日本、長浜の文化を宣伝してほしい」と語りかけた。

 ウィスコンシン大学ミルウォーキー校2年のザッカリー・コテキさん(19)は地元にホームステイし、湖北地域の豊かな自然や地域コミュニティの親密さが印象に残ったという。「山本山や琵琶湖、伊吹山などの自然がきれいだった。帰国したらその風景を伝えたい」と話していた。

掲載日: 2023年08月04日