震災を風化させない

近江公民館で復興支援のカルタ大会

 東日本大震災から10年。米原市、近江公民館の放課後児童クラブ「お家笑里クラブ」は11日、福島第一原発事故で避難していた浪江町の浪江・津島小学校の児童たちを応援するカルタ取り大会を開いた。

 同館を運営するNPO法人「おうみ地域人権・文化・スポーツ振興会」(村田輝男理事長)は東日本大震災で被災し、福島県二本松市に避難している両校を支援。児童たちに義援金や新米、運動用具をプレゼントしていた。そのお礼として福島の児童たちから5年前、「なみえっ子カルタ」1組が贈られた。カルタには「笑顔がね たくさん咲くよ 浪江町」「きれいだな 紅白コスモス 町の花」など、祭りや自然、地元にまつわることをまとめている。

 返礼として米原の子どもたちも地元の奉納角力や花嫁行列などを題材にした「福島復興支援カルタ」を作成。3組を福島にプレゼントした。

 毎年、この時期、カルタ大会を開催していたが、昨年はコロナ禍により、中止。今年は震災から10年。風化しつつある震災を忘れないようにと、両方のカルタで遊んだ。

 大会前、職員の世一和加奈さんらが震災を知らない子どもたちに「命の大切さ、家族の大切さを感じ、震災に対する備えを」「まずは自分の命を守り、家族を助けて」などと、アドバイス。カルタ取りでは40人の子どもたちが学年ごとに分かれ、「絶品だ 浪江焼きそば ぜひ食べて」「伊吹山いつもどっしり構えてる」などの読み手の声に合わせ、元気良く札を取り合っていた。

 復興支援カルタを製作した三輪果凜さん(坂田小6)は「一生懸命作ったことを覚えている。震災は想像するだけで怖い」と話していた。なお、浪江町の両校は今年3月で児童がいなくなるため、廃校になる。

掲載日: 2021年03月12日