草野さん、時遊館で50年の回顧展

「頑張ればできるという、ひとつの姿を」

 三川町、虎姫時遊館で元中学美術教諭・草野貞夫さん(76)=北之郷町=が、この50年間に描いた作品を集めた回顧展が開かれている。

 草野さんは滋賀大学在学中、絵画研究室に入り、卒業後は虎姫中を皮切りに、びわ、浅井、湖北中などで美術を教え、富永小学校の校長を最後に38年間の教職員生活に終止符を打った。

 引退後も油絵を描いていたが、2015年、脳梗塞を発病。色の塗り重ねができなくなり、創作活動を断念した。しかし、4年後、一念発起し、絵画サークル「パレット」「100絵会」で活動を再開。今では題材探しをしたり、大作の制作に挑んでいる。

 モチーフにしているのは長浜の祭りや子どもたちの躍動する姿、生活感のにじみ出た風景など。中には自治会長の時、自治会館建設を計画したが、土地と金銭的な課題が生じ、その決断時の総会の様を描いた「凍結」や自宅の改築時に家族8人と猫2匹が仲良く過ごしている風景を表現した「報恩」など、その時々の情景を表した作品も。大作30点のほか、小品を多数並べている。

 回顧展は最初の教え子4人の発案。草野さんは「教え子たちのおかげで回顧展を開くことができた。頑張ればできるという、ひとつの姿を見てほしい」と話している。午前9時から午後4時半、22日まで。18日休館。無料。

掲載日: 2019年11月13日