心風流に大谷石のピザ窯

ソロプチミスト長浜が寄贈 遠赤効果で生地の食感引き出す

 余呉町菅並の飲食店「ココカフェ心風流(シンプル)」で「大谷(おおや)石」製の窯で焼いた特製ピザの販売が始まり、人気を集めている。

 ピザ窯は女性の社会奉仕団体「国際ソロプチミスト長浜」(北川庸子会長)が認証30周年を記念して寄贈したもの。大谷石は栃木県宇都宮市の大谷地区で生産される石で、蓄熱性があり、石窯に適しており、多くのイタリアンレストランで使われている。

 また、石窯はブロック状で積み上げる構造になっており、移動が可能。ピザを焼く調理室と薪を燃やす燃焼室が別でなどが食べ物に付着しないメリットがある。

 同店を運営するNPO法人「子ども自立の郷ウォームアップスクール ここから」(唐子恵子理事長)は不登校や引きこもり経験者の自立を支援するスクールを2006年に開設。飲食店は卒業生が自立に向けて調理、接客などを学ぶ場として、2年前にオープンし、現在、5人が働いている。

 スクール内の喫茶スペースでは3年前から固定式の土窯によるピザを提供しており、好評だった。「地域に出向いて、お年寄りにもこの味を楽しんでもらいたい」(唐子理事長)と移動式のピザ窯の購入を思案していたところ、この話をソロプチミストのメンバーが聞きつけ、寄付を申し出た。

 大谷石製のピザ窯は高さ160㌢、幅70㌢、奥行き80㌢で価格は30万円。焼いているピザはバジルとトマトが乗った「マルゲリータ」、ほくほくしたジャガイモがおいしい「ジャーマンポテト」、チーズとメーブルがたっぷりの「クアトロフォルマッジ」の3種。遠赤外線効果で薄めの生地を焼いており、クリスピー風のパリパリ感が楽しめる。

 北川会長は「釜で新しい分野を開拓し、卒業生の就労に繋がれば」と話し、唐子理事長は「ソロプチミストの皆さんには日頃から応援してもらっており、感謝している。コロナにより大きなダメージを受けたが、これを機に挽回したい。仕事を頑張れるきっかけとなれば」と話していた。

 なお、ピザは8月中、日曜の午後1時から販売。1ドリンク付きで700円。問い合わせは心風流℡080(2434)3458へ。

掲載日: 2021年08月17日