地の食材こだわり レストラン再開

ミシュラン一つ星シェフ押谷さん

 富山県内でレストランの立ち上げから運営までを担い、ミシュラン一つ星に輝いた長浜市出身のシェフ・押谷俊孝さん(38)が約2年ぶりに地元に戻り、八幡東町でイタリアンレストラン「PASSO」の営業を再開させた。

 2012年にPASSOを開店し、鹿肉などのジビエをはじめ、食材にこだわった料理を提供してきた押谷さん。「新しい食材や調理法を探求したい」と19年に店を休業し、国内の飲食店やイタリアのワイナリーを巡った。

 縁あって富山県立山町にある、美と健康をテーマにした複合施設「ヘルジアン・ウッド」でレストランの立ち上げに参加し、トップシェフとしてメニュー開発、食材調達、調理に腕を振るった。レストランはコロナ禍の中、昨年3月にオープン。富山の旬の食材や自家製ハーブを使った料理が評判を呼び、今年5月に発売された飲食店や宿泊施設の格付けガイド本「ミシュランガイド北陸2021特別版」で一つ星に選ばれた。「コロナ禍でどれが正解か分からない中で料理を続けてきた。信じられない思いと、報われた感があった」と振り返る。

 ミシュランの吉報から間もなく長浜市に戻り、7月にPASSOを再開させた。こだわりは地元でとれる湖魚や野菜、ジビエを食材とした料理。「地元の方も今は食べなくなったビワヒガイやカマツカなども扱います」と語る。伊吹の薬草を使った茶を提供するなど、立山町で知見を深めたハーブも料理に取り入れている。

 完全予約制。1日1組。予約はSNS(http://www.passo-os.com/)か℡(65)6255で。

掲載日: 2021年08月10日