盗撮男を追跡、逮捕につなげる

長浜病院の大橋さんに署長感謝状 バスケの体力、長浜署の研修生かす

 盗撮男を約500㍍追跡し逮捕につなげたとして、長浜署は7日、市立長浜病院医療安全管理室の大橋正英室長代理(47)に感謝状を贈った。小学生から続けているバスケットボールで培った体力と、長浜署が事前に指導していた不審者対応研修の成果を生かした「お手柄」だった。

 長浜署によると8月23日午前11時45分ごろ市立長浜病院1階のベンチに腰掛けながら、目の前を通り過ぎる若い看護師の女性にスマートフォンのカメラを向ける不審な男がいると、看護師から医療安全管理室に連絡が入り、大橋さんが現場に急行。「何をされているんですか」と声をかけ警察への通報をにおわせたところ、男は走って逃げた。

 男はフェンスを乗り越えて病院敷地外へ飛び出し、国道8号線を横断して田んぼへ逃げ込んだ。大橋さんは距離をとりながら慎重に後を追い、田んぼの中でしゃがんで隠れている男を見つけ、警察が到着するまで現場に引き留めた。

 男はその後、駆け付けた警察官に建造物侵入の現行犯で逮捕された。男は県内の40代で、盗撮目的で市立長浜病院に侵入したことを認めた。

 大橋さんは小学生以来バスケットを続け、高知大在学中はインカレに四国代表として出場。身長は180㌢。現在も社会人チームで活動しており体力には自信があった。150㌢のフェンスを軽々と乗り越え、男を見失わないよう追跡した。

 同署によると逃走する犯人は必死に逃げることから一般人が追跡するのは難しいといい、大橋さんの追跡を「お手柄」と称えた。感謝状を贈った井上和幸署長は「日ごろのバスケットで培った体力が犯人逮捕につながり良かったですね」と声をかけた。

 同病院では7月に不審者侵入に備えた訓練を実施していた。この時、無理をせずに犯人と距離をとり、警察が到着するまで時間を稼ぐよう長浜署から指導を受けており、大橋さんは「犯人と距離をとって見失わないように追跡した。引き留めた時も2㍍以上距離を空けた。研修の成果が出た」と語った。

 医療安全管理室は医療事故防止や苦情対応、不審者対応などを担う部署で、大橋さんは「今後も病院の患者さんや働く人に安心してもらえるよう、業務に励みたい」と話していた。

掲載日: 2023年09月07日