危険予測をトレーニング!

タクシー運転手に交通安全教室

 春の全国交通安全運動にあわせ、タクシー運転手を対象にした交通安全教室が8日、虎姫まちづくりセンターで開かれた。滋賀中央交通(内保町)の高齢ドライバー8人が参加し、危険予測トレーニング機器「KYT」を活用して、安全運転に欠かせない危険予測力を高めた。

 教室は長浜署と県警本部高齢者交通安全推進室が実施し、同社の70代のドライバーが参加した。KYTは街中を運転する視点の映像を見ながら、参加者が危険だと思う箇所で手元のボタンを押す仕組み。停車中の車の陰から子どもが道路を横断したり、右折待ちのトラックに隠れたバイクが飛び出してきたりと、普段の運転中に遭遇する「ヒヤリ」としたシーンが再現されている。

 3分間の映像の中には10カ所、交通事故につながるポイントがあり、参加者それぞれが危険と思うタイミングでボタンを押した後、高齢者交通安全推進室の担当者の解説であらためて危険ポイントを振り返った。

 担当者は「優先道路であっても、優先意識を持ち過ぎないよう、『かもしれない運転』を心掛けてほしい」「前に大きな車がある時など前が見えない時ほど慎重に」などと呼びかけた。また小学校に入学したばかりの1年生はこの時期は大人の見守りなどで事故は多くないが、通学に慣れる6月ごろになると交通事故が増えるといい、「運転手の皆さんには特に注意をしてほしい」と話していた。

 ドライバーの村方政夫さん(76)は「相手の行動を予測するのは難しいが、より慎重に安全運転に気をつけたい」、松塚龍一さん(70)は「自分なりに十分な予測をしていたつもりだが、受講して新たな気づきがあった。今後の運転業務に生かしたい」と気を引き締めた。

 同社の喜田朋子社長は「タクシー業界は人手不足の上にドライバーの高齢化が進んでいる。70歳以上の社員を対象に安全講習をすることで、市民の皆さんに安心して乗車いただけるタクシー会社であり続けたい」と話していた。

掲載日: 2024年04月09日