初の「女城主」 福井さん

長浜城歴史博物館の第14代館長

 長浜城歴史博物館の第14代館長に福井智英さん(48)が就任した。同館初の女性館長で「一国一城の主」となった福井新館長に抱負などを伺った。

就任おめでとうございます。着任の感想は?

福井 まずは驚いた。重責を感じており、不安な面も多い。

長浜城のイメージは?

福井 市民の寄付で建てられた博物館。長浜のシンボル。社会教育施設というだけでなく、観光面でも重要な役割を持っている。3階にはいつ来ても戦国時代にタイムスリップでき、秀吉に会えるような常設展。2階には湖北の歩みがわかる企画展を設けており、地域に根付いている。

セールスポイントは?

福井 ○○周年(メモリアルイヤー)に注目した展示や市の重点施策と連携した企画、旬な話題を追っている。

コロナ禍の影響は?

福井 団体客を中心に来館者が減っているので、SNSなどを活用した広報戦略を打ち出している。北近江歴史大学や湖北学講座など教育普及事業は回数や定員を減らし、事前予約制にした。

8月から来年3月まで耐震工事のため、休館となるが?

福井 東京長浜観音堂の開設や市外での所蔵品の出張展示など、外に向けた活動を展開したい。

地元の子どもたちへの思いは?

福井 是非、足を運んでもらい、教科書に掲載されている戦国時代の舞台であり、信長や秀吉が活躍した長浜に、自分たちが住んでいることに誇りを持ってもらえるようにしたい。自由研究コンクールH1グランプリで歴史に興味がある子が多いことに驚いた。昨年はコロナ禍でできなかったが、今年は実施できるよう学校にお願いしたい。

今後の方針は?

福井 まず市民には愛され続ける博物館作りを目指したい。地域の誇り、愛着がある長浜城。どんどん、その魅力を発信したい。先輩たちから引き継いだものを大切にしながら、新体制により、少し違うカラーを出してゆきたい。単なる博物館としてだけでなく、城に来た感覚を演出できるようにしたい。また、観光サイドと連携を持って、より多くの人に足を運んでもらえるようにしたい。

 

 【福井智英さん】 奈良県生まれ。天理大学を卒業後、旧虎姫町の学芸員となり、文化財を担当。地元出身の元三大師について見識が深い。合併後は市文化財保護センターを経て、長浜城歴史博物館、一筋。企画やサポート団体、長浜城歴史博物館友の会事務局などを担当。現在は浅井歴史民俗資料館、高月観音の里歴史民俗資料館の館長も兼任している。

掲載日: 2021年04月14日