フレイル予防体操 共同開発

米原市と筑波大、身体能力アップ

 米原市は27日、高齢者向けの体操を筑波大学と共同で開発したと発表。加齢に伴う身体能力と認知機能が低下した状態「フレイル」の対策に有用な調査結果が得られたとして、地域の出前講座などで活用していく。

 共同開発の体操は、タニタ社製の消費カロリー計付きなわとび(カロリージャンプ)を用いていすに座りながらできる「タニタSTOP!フレイル健康体操」。有酸素運動、筋トレ、バランス運動、有酸素×脳トレの4ジャンル計20種類の多彩なエクササイズで構成されている。所要時間は約20分で、タニタ社のホームページやユーチューブ(https://www.youtube.com/watch?v=wHeGBSVUQw8)で動画を公開中。

 米原市は今年1月から3月にかけて市内4カ所で65歳以上の高齢者75人に対し、休憩を入れて1回につき90分間、週1回のペースで全12回の同体操の教室を実施。教室終了後、筑波大学が参加者に調査したところ、教室前と比べての改善率が脚筋力で14・4%、歩行速度で7・0%上昇するなどの効果が出たという。一方で認知機能についての改善は見られなかった。

 米原市は「なわとび体操」の愛称を付け、出前講座や高齢者サロンのほか、一人でもできるため自宅での実施を推奨している。監修した筑波大学の山田実教授は「全身の筋肉量が増加し、歩行速度など運動機能の改善効果が認められた。自宅で座りながら体操でき、腕と足の両方を鍛えることができるのがいい」と話している。タニタ社のなわとび以外の一般のタオルなど代用品を使っても体操できるという。

掲載日: 2022年06月28日