黒壁スクエア、来街者5000万人達成

「人4人、犬1匹」から30年余り、有数観光地に

 古い建物や街並みを保存・活用しながらガラス文化を発信することで県内有数の観光地に選ばれている「黒壁スクエア」。19日、その来街者が黒壁開業以来5000万人を達成し、記念セレモニーが行われた。

 黒壁は「黒壁銀行」の愛称で親しまれた1900年(明治33)築の旧第百三十国立銀行長浜支店を、市民有志が保存・活用するために設立。1989年(平成元)7月にガラス館としてオープンさせた。その後も当時としては珍しいガラス製品を扱った店舗を次々と開店させ、91年に京阪神を走るJRが北陸本線長浜駅まで乗り入れた効果もあり、急速に来街者を増やした。

 オープン2年目となる90年の来街者は20万5000人だったが、翌91年には43万5000人と倍増させ、95年に100万人を、2001年に200万人を突破し、以来200万人前後で推移している。昨年度は211万6000人だった。

 黒壁ガラス館前で行われた記念セレモニーでは5000万人達成と書かれた看板の除幕式などがあった。あいさつに立った高橋政之社長は黒壁設立以前の商店街について「人が4人と犬1匹しか歩いていなかった」と、郊外への大型スーパー進出に伴う街の疲弊ぶりを振り返ったうえ、「黒壁が30年続いたことは、この地を愛する皆さん、商店街を盛り上げる皆さん、多くの企業の支援があったから」と感謝を述べた。「今後も明治時代から続く古民家を活用して、楽しい店をつくりたい」と話した。

 記念すべき5000万人目は大阪市城東区の会社員・小山潔さん(42)の家族4人。黒壁から記念プレートやガラス製品などがプレゼントされた。自家用車で初めて長浜を訪れたという小山さん。「街の雰囲気が良さそうで、家族みんなで歩ければと長浜を選んだ」「新しいものと古いものが融合して、大人から子どもまで楽しめる街。大阪からも近く、また来たい」と話していた。

 なお、黒壁では感謝イベントとして、1月末までガラス体験教室の招待券を抽選で100人にプレゼントしている。黒壁直営店舗で商品を購入すれば、レシート1枚につき1回抽選できる。抽選会場は黒壁ガラススタジオ2階。

掲載日: 2020年01月20日