若き秀吉の銅像、建立へ

長浜開町450年記念、豊国神社に

 豊国神社で10月7日に開かれる長浜開町450年祭に合わせ、豊臣秀吉の銅像の制作が進められている。銅像は長浜の町を開いた当時の若き秀吉をイメージしており、全国的にも珍しいという。

 今年は豊国神社の祭神、秀吉が長浜の町を開いて450年目。氏子らでつくる「長浜開町四百五十年豊国神社実行委員会」(谷口正臣会長)は神社内に銅像がないことから、メモリアルイヤーに合わせて設置を計画し、準備を進めてきた。

 秀吉は長浜に城を築き、この地を出発点として天下人まで上り詰めた。像はこの地を治めた37歳の頃をイメージした甲冑姿の座像(高さ1・2㍍)。その当時の肖像画は残っていないため、東大阪短大・平田敦司教授の作品と名古屋市秀吉清正記念館の肖像画(享保6年)を参考に、太田浩司さん(淡海歴史研究所所長)、湯本崇彦宮司の監修により、十里町の工房で原型が作られた。

 秀吉の甲冑姿は珍しく、合戦に明け暮れた長浜城主時代を彷彿とさせている。甲冑は現存しており、「色々威(おどし)二枚胴具足」と呼ばれる。太田さんは「第一線で活躍していた頃のさわやかな姿をイメージした。他の秀吉像は関白以降の姿がほとんど。若い頃の銅像は存在しないのでは」と話している。

 現在、富山県高岡市の業者により鋳造されており、本殿前東側に設置される予定。湯本宮司は「ここから秀吉が作った長浜をアピールし、湖北のシンボルとしたい」と語っている。

 長浜開町450年豊国神社実行委員会は記念事業の協賛金を随時、募っている。事業は銅像の制作、記念式典、記念石碑、加藤清正像の補修、手水舎の葦替え、境内東側進入路の整備など。総事業費約1550万円。クラウドファンディングも予定している。

 問い合わせは豊国神社℡(50)4796。特設サイト(https://houkokujinja.com/450th/)でも確認できる。

掲載日: 2023年08月17日