天寿全うまで寄り添い

三田さん、口分田町に老猫ホーム開設

 年を取った猫が余生を過ごす「老猫ホーム」が1日、口分田町にオープンした。飼い主の老人ホームへの入居などで行き場を失うペットの居場所にしようと、三田咲良さん(21)=大路町=が開設。「天寿を全うする最後まで、家族として寄り添いたい」と話している。

 愛玩動物として親しまれている猫だが、飼い主の高齢化で飼えなくなるケースが増え、引き取り手がなければ殺処分されることとなる。環境省の統計によると、2021年度の猫の殺処分数は1万1718頭で犬の2739頭の4倍以上となっている。

 小学生のころから猫を飼っている三田さんはテレビ番組などで、引き取り手のない猫や犬が殺されていることを知り、犬猫の保護活動に関心を持つように。伊吹高を卒業後、専門学校で動物飼育を学び、犬猫の譲渡活動に熱心に取り組むペットショップに勤務して経験を積んだ。

 口分田町にオープンした老猫ホーム「CATホッと」は父の哲哉さん(53)が自営業のため借りている築200年の古民家の内部をDIYで改装して整備した。居間や土間を猫がくつろげる空間にし、以前に飼われていた環境に近づけるため、ソファーやテーブル、テレビなどを置いている。

 受け入れる老猫は12、13歳以上で、寿命が尽きるまで5、6年間を一緒に過ごすこと想定している。スタッフが24時間常駐して猫の世話をする。料金は3カ月9万円からで、検査費用や葬儀費用として一時金25万円(いずれも税別)。特に都市部では行き場の無い老猫が増えているといい、飼い主の住所を問わず全国から受け入れる。

 開設したばかりのため今は受け入れている猫はいないが、三田さんは「大事な家族と一緒にいられなくなった年老いた猫が寂しい思いをしないよう、天寿を全うする最後まで第2の家族として寄り添いたい」と話している。

 老猫ホームのほか、一時的に預かるペットホテルや家庭に赴いて面倒を見るペットシッターも同時展開している。問い合わせはCATホッと℡(53)4099へ。

掲載日: 2023年06月07日