元三大師みくじで新年占う

「長浜城に初詣」に特設コーナー

 「今年は春から縁起が…」—長浜城歴史博物館に、おみくじのルーツとされる「元三大師」のコーナーがお目見えし、新年を占う観光客で賑わっている。

 コーナーは現在、開催中の特別陳列「長浜城に初詣」に合わせ設けたもので、江戸以降に出版された解説書「元三大師御籤本」を参考にして復元した。元三大師は平安時代に活躍した天台宗の僧侶で、玉泉寺(三川町)を開き、第18代天台座主に就任。「元三大師御籤」は現代のおみくじの起源とされ、第1番から100番まで五言四句の漢詩で吉凶や運勢を判断する。

 大吉、中吉、小吉など7種類あり、うち凶が約3割、大吉が2割を占める。「大吉」には「災難が退く」「待ち人来る」など、「凶」には「暗雲立ち込める」「失うもの多し」などと書かれている。同館は「あくまでも体験用。吉凶判断などは気にし過ぎないようにしてほしい」と話している。東京、浅草の寺では「元三大師御籤」が採用されているという。

 コーナーには解説書を基に作った「みくじ棒」(長さ6寸6分、幅3分)100本が入った「みくじ箱」(縦横4寸、高さ1尺)が置かれており、手順として如意輪観音を拝む際の呪文「おん ばらだ はんどめい うん」と心の中で3回唱えた後、両手でおみくじ箱を持って、振り出す。「みくじ棒」に書かれている番号の紙を持ち帰ることができる。

 岐阜県瑞穂市から家族4人で訪れた三鴨伸悟さん(42)たちは「大吉」。「子どもたちにいろんな体験をしてもらいたい、と長浜を訪れた。大吉なんて、正月から縁起がよい」と喜んでいた。

 おみくじは無料だが、入館料(大人410円)が必要。2月2日まで。

掲載日: 2020年01月04日