クリスマス、正月を前に

今が書き入れ時、湖北のイチゴ農家

 クリスマス、正月を間近に控え、湖北地域でイチゴの出荷が最盛期を迎えようとしている。

 湖北では生産・販売の近代化や経営の向上、所得の安定を目指し、2012年、湖北苺出荷協議会が発足。湖北農業農村振興事務所農産普及課によると近年、新規就農者が増えており、12月現在、40軒が総面積約3・8平方㍍で栽培。「こほくいちご」のブランド名で地元市場や道の駅などに出荷している。

 また、県はオリジナル高級イチゴ「みおしずく」を開発。今年は試験販売だが、次年度以降、湖北の農家にも栽培してもらい、ブランドの確立を目指している。

 同課は「農家は今が書き入れ時。イチゴは順調に生育している。今年は資材の高騰などにより、販売価格が圧迫され、厳しい環境下にある」としている。

春っぽい味TPF自販機増設へ

 常喜町の田中パイロットファーム(TPF)では5年前からイチゴを栽培。毎年、この時期は収穫、出荷に追われる。

 同社は水稲やタマネギ、ブロッコリーなどを栽培する大規模農業法人。素人だった田中祥子さん(37)は「イチゴを作るってかわいくない?」と周りに勧められ、気軽に栽培を始めた。

 ところが、毎年、天候が異なり、思うように育たず、試行錯誤の末、何とか安定生産できるように。2年前から面積を増やし、今は約410平方㍍、3棟のビニールハウスで3種を減農薬で栽培している。

 「章姫」は甘くて柔らかい果肉、「紅ほっぺ」は味が濃厚で独特の芳香がある。両方の特長を持つ「よつぼし」は今の時期「春っぽい味」(田中さん)がするという。

 イチゴ栽培は田中さんがほぼ1人で切り盛りしているため、観光農園や対面販売を行わず、自販機販売のみ。リピーターも多く、近く自販機2台を増設する予定。また、JAを介して「苺の話」というブランド名で大津、京都の市場にも出荷している。

 自販機販売は午前9時から午後10時ごろまで。1パック250㌘入り700円(税込み)。田中さんは「パックや箱など包装資材が高騰しているが、価格は据え置き。朝どりなので新鮮」と話している。問い合わせは田中さん℡080(1433)7940へ。

掲載日: 2022年12月21日