「うりんぼうプロジェクト」始動

高齢者 ひきこもる若者へ「生きがいを」

 高齢者やひきこもりの若者たちにアクセサリーやキーホルダーを作る機会を設け、販売した収益金を伊吹山の環境保全活動につなげる取り組み「うりんぼうプロジェクト」が米原市内で始まった。いずれも市内の造形作家の森佳三さん(59)と白川由美さん(54)が企画し、16日には近江学びあいステーションでキーホルダー作りの体験教室を開いた。

 森さんたちは、高齢者や生きづらさを感じているひきこもりの若者たちに、アクセサリーなどの制作体験と伊吹山の環境保全という社会貢献を通して、生きがいを感じてもらおうと、伊吹山に生息するイノシシの子ども「うり坊」にちなんで「うりんぼうくらぶ」を発足。

 プロジェクトでは、森さんがデザインしたキャラクターの「うりんぼう」と「いぶまるうさぎ」を使い、白川さんの指導でキーホルダーやピアス、ネックレス、クッションを製作。それら完成品の販売で得た収益金を米原市へ寄付し、伊吹山の環境保全活動に活用してもらう。

 16日の体験教室には市民8人がうりんぼうの描かれたタッセル付きのキーホルダー作りに挑戦。受講した市内の西村俊男さん(81)は「何でも挑戦だと思い参加した。初めてだったが、うまくできた」と笑顔を見せた。

 うりんぼうくらぶでは来月以降に活動費を求めるクラウドファンディングを実施する。森さんは「参加する皆さんには、実際に社会で活躍しているという充実感や生きがいを得てほしい。そしてその取り組みが環境被害の深刻な伊吹山の保全につながればいい」と話している。

掲載日: 2023年05月17日