2023年7月31日

押谷さん、毎日書道展で会員賞

伊吹高教諭、応募35年目でグランプリ

 伊吹高校教諭で書道部顧問の押谷呉璧さん(58)=本名・達彦さん、湖北町速水=が第74回毎日書道展(毎日書道会など主催)の漢字部門でグランプリにあたる会員賞に輝いた。会員になるには入賞を重ねる必要があるうえ、会員賞は会員100人に1人程度しか選ばれない難関。この快挙に、押谷さんは「より責任が重くなる」と気を引き締めた。

 書道を始めたのは滋賀大教育学部の1年生。書道指導者の育成に取り組んでいた池田哲也教授の講義に「楽しそう」と参加したのがきっかけ。以来、書の道を歩んできた。伊吹高校では19年間、書道部の顧問を務め、教え子は「書の甲子園」(国際高校生選抜書展)出場や、機動展示のパフォーマンスなどで活躍している。

 押谷さんは大学卒業以来35年間にわたって同展に応募し、毎日賞を2回受賞するなどして2017年に会員となった。以来、会員賞が目標となっていた。

 会員賞作品は中国の詩人・陶淵明(とうえんめい)の漢詩「帰去来辞(ききょらいのじ)」の一節「以帰尽」を書いた。文字の造形からこの一節を選んだが、「自然の摂理のままに死を受け入れる」との漢詩の意味から「死ぬまで書け、死ぬ気で書け、とのメッセージと受け取った」と押谷さん。納得ゆく作品に仕上がるまで、画仙紙300枚以上を書き続け、渾身の作を応募した。

 押谷さんは「周囲からはそろそろ賞をとらなあかんと励まされていたが、そう簡単なものではない。会員賞はとても嬉しい。今後は作品書きも仕事も、より責任が重くなる」と語っている。

 毎日書道展は毎年約3万点の応募がある日本最大級の公募書展で、入選作品は全国で巡回展示される。今年は会員賞に26点が選ばれた。

 なお、関西展は8月16日から20日まで京都市左京区の京セラ美術館、日図デザイン博物館、みやこめっせ第二展示場で開かれる。

2023年7月28日

長浜バイオ大生、養蜂に挑戦

採取したハチミツ、8月6日から限定販売

 長浜バイオ大の学生が養蜂を体験し、大学内で採れたハチミツを「n—bio HONEY」として8月6日から大学売店で販売する。

 昨年、同大学や湖北・湖東地域の酒造会社など5者が「米長滋彦(よねながしげひこ)の蜂蜜会」を結成して蜂蜜のお酒作りに取り組んできたことを縁に、学生31人が今年4月に蜂蜜会学生部を立ち上げ、安土養蜂園の手ほどきで養蜂にチャレンジしてきた。

 5月下旬、大学3階バルコニーに安土養蜂園がセイヨウミツバチの巣箱3個を設置。ミツバチは琵琶湖岸や田村山を含む半径2㌔程度の範囲で花の蜜を集めた。学生はミツバチの巣の状態を観察し、6月上旬と7月下旬には巣箱から巣板を取り出して遠心分離機でハチミツを採取する作業を体験した。

 今年は安土養蜂園が巣箱を設置したが、ゆくゆくは大学独自の養蜂に取り組みたい考えで、バイオサイエンス学部フロンティアバイオサイエンス学科の塩生真史准教授(48)は「同じ巣箱でも採取の時期によって味や香りが異なる。成分分析で他社のハチミツと比較し、長浜バイオ大学ならではの味を追究したい」と話している。

 大学院で酵母について研究している博士課程3年の梅田知晴さん(26)は「ハチミツやハチ自身から酵母を採取して、その酵母でハチミツのお酒ができれば」と話している。

 大学で販売するハチミツは180㌘入り1380円(税込み)。290個限定。

2023年7月21日

レジャー事故防げ、水難救助訓練

空と湖上から、警察、消防、民間連携

 梅雨明けと夏休みのスタートで本格的なレジャーシーズンが到来したのを受け、警察、消防、民間企業など9団体が21日、長浜港で合同の水難救助訓練に取り組んだ。遭難者を捜索するドローンの誘導で水上バイクが救助に向かうなど、空と湖上の連携で迅速な救助を行った。

 湖北地域3警察署、機動隊、水上警察隊、湖北地域消防本部、日本ジェットスポーツ協会、ウエムラテック(ドローン)、エクセルグループ貿易(水上バイク)から約50人が参加し、水難事故に備えて連携を確認した。

 訓練は2部に分けて行われ、1部では4人がおぼれているとの通報を受けて、警察や消防が長浜港に急行し、「救命索発射銃」を使って救助用ロープを飛ばすなどして遭難者を救助した。

 2部では長浜港でサップを楽しんでいた4人が強風と高波を受けて落水し、2人が沖に流され、2人が行方不明になったとの想定で行われた。機動隊と湖北地域消防本部のアクアラング隊が水中にもぐって行方不明者を救出したほか、水上バイク2台がドローン2台の誘導で漂流者のもとへ航行し救助。長浜港で待つ救急隊に引き継いだ。

2023年7月19日

「RICE IS COMEDY」出版

西浅井の地域グループ、240ページの大作

 西浅井町を拠点に活動する地域グループ「ONE SLASH(ワン・スラッシュ)」の著書「RICE  IS  COMEDY  人口4000人のまちで仕掛ける『地域の生存戦略』」が、ローカル出版社スタブロブックス(兵庫県加東市)から全国発売されている。

 グループは西浅井町出身の34〜42歳の男性5人で結成。建設業、アパレル、不動産など異業種の仕事をしながら、「RICE  IS  COMEDY(米作りは喜劇だ)」と銘打った米作りや、各地で米を振る舞う「ゲリラ炊飯」などユニークな活動で全国から注目を集めている。

 2016年に代表の清水広行さん(36)が西浅井にUターンしたのを機に、地元を盛り上げようと幼馴染に声をかけて活動を始めた。メンバーのやりたいことを事業計画書に書き上げ、ビジネスとしても成立することを主眼に置いているのが特徴だ。地元の春祭りの再興、マルシェの開催、100㍍の流しそうめん、農業体験、西浅井ジビエ村—など次々と地域を盛り上げる取り組みを行うとともに、農業の楽しさを追求する米作りを本格化。西浅井の米を全国で振る舞うゲリラ炊飯はその話題性から注目を集め、知名度は全国区となっている。

 同書は結成以来のグループの活動の軌跡、西浅井などの「地域」や米作りへの思い、農業体験やゲリラ炊飯のレポートなどをまとめている。

 同書の制作にあたってはスタブロブックス社長の高橋武男さん(45)が昨年8月から今年5月末にかけて何度も西浅井を訪問して取材した。当初は120ページの予定だったが、気付くと倍の240ページに。「活動を共にする中で、やっていることの幅広さに面白さを感じ、ブックライターとしてスイッチが入った。清水さんらの熱量に引っ張られた」と高橋さん。「ワン・スラッシュは地元を全力で楽しみながらムードを変え、子どもたちがあこがれる地域に本気で創り変えようとしている。全国の地域で活動する方々の行動指針となれば」と話している。

 清水さんは「西浅井でこれだけイケるのだから、どの地域でもイケるはずと、ポジティブになってほしい」「田舎に来てモヤモヤしている人、チャレンジしたい人に読んでもらいたいが、すでに地域で事業や商売に取り組んでいる人にも読んでもらい反応をみたい」と話している。

 A5判240ページ、フルカラー。2000円(税別)。地元の書店やインターネットで販売している。

2023年7月13日

創造力向上に「グリッド脳トレ」

造形作家・森さん開発、特許出願

 米原市の造形作家の森佳三さん(59)が開発した「グリッド脳トレ」を使った講座が11日、近江学びあいステーションで開かれ、地域の高齢者たちが体験した。

 森さんは美術の指導者や造形作家としてのこれまでの経験を生かし、1マス5㍉四方の方眼(グリッド)を塗っていく方法で、計算をしたり、絵を描いたりする脳トレを開発。「グリッド脳トレ」と命名して商標登録したほか、先月23日には特許出願を行った。

 森さんは「一般的な脳トレは正解を求める方法だが、グリッド脳トレは創造性を向上させて、発想力を育むことが目的にある」と解説。認知症の予防にも活用できるとしている。

 近江学びあいステーションでの講座には60代から80代までの約30人が受講。グリッドを塗りつぶしながら、算数の計算をしたり、笑顔の模様を描いたりした。受講した北村開子さん(80)は「普段はあまりしない計算を久々にやって、脳を使ったなと実感もできる」と話していた。

 森さんは今後も福祉関連の講座を中心にグリッド脳トレを活用するほか、関連本の出版も計画中。「グリッド脳トレは誰でもできることが特徴で、取り組みながら創造力と発想力を育むことにもつながる。各分野で活用してもらいたい」と話している。問い合わせは森さん℡090(8792)0023。

2023年7月11日

お市マラソン、参加者全国公募

5年ぶり通常開催、ハーフ3000人規模に

 9年連続で「全国ランニング大会100選」に選ばれたこともある「あざいお市マラソン」が10月8日、浅井文化スポーツ公園(大依町)を発着点に開かれる。昨年はコロナ禍を受けて参加者を県内在住者に限定していたが、今年は全国公募し、規模も拡大させる。

 ハーフ(高校生以上、制限時間2時間45分)、3㌔中学生(中学生、制限時間1時間)、3㌔小学生(小学4〜6年、制限時間1時間)、3㌔ファミリー(親子ペア、子どもは小学1〜3年、制限時間1時間)の4部門を設けている。昨年1000人だったハーフの定員は3000人に拡大し、全国から参加を受け付ける。他の部門は定員を設けない。

 2019年は台風で中止となり、20、21年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で取り止めた。22年は4年ぶり開催となったが、感染対策の観点から定員を絞り、参加者も県内に限定していた。

 5年ぶりの通常開催となる今年も地域住民が育てた「コスモス街道」が草野川沿いにお目見えし、参加者を歓迎する。実行委員会事務局の長浜文化スポーツ振興事業団(市民体育館)は「地域のおもてなしの心が伝わるアットホームな大会。全国から参加を」と呼びかけている。

 スタート時間はハーフが午前10時、3㌔が午前10時15分。参加費はハーフ6000円、3㌔中学・小学生2000円、3㌔ファミリー3500円。参加賞はハーフがスポーツタオルと地元新米、3㌔がスポーツタオル。申し込みは7月15日からランナー向けサイト「RUNNET(https://runnet.jp/)」で。詳細は同事業団のホームページ(http://oichi-marathon.com/)で確認できる。

2023年7月10日

参拝続々、4年ぶり千日会

高月町の赤後寺で、小学生も

 高月町唐川の赤後寺の千日会法要が10日営まれた。4年ぶりとあって、朝から多くの参拝客が訪れ、観音様に手を合わせていた。

 赤後寺は国重要文化財の千手観音立像と聖観音立像を本尊とし、災い転じて利となす「転利(ころり)観音」として信仰を集め、3回参拝すれば長患いせずに極楽往生できると言われている。

 この日にお参りすると千日分の御利益を得られるという千日会法要は毎年7月10日に営んでいるが、過去3年間はコロナ禍で中止となっていた。

 4年ぶりとなったこの日は、県内外の参拝客だけでなく地元の七郷小学校の児童も参拝。氏子総代の一人、野瀬謙治さんから、姉川合戦や賤ケ岳合戦の戦火から守るために村の住民が観音像を持ち出して土の中に埋めたり川の中に隠したりした歴史や、千日会の御利益などの説明を受けていた。小野玄翔さん(6年)は「観音様は手が無くなったり、形が崩れたりしているけど、昔の人が頑張って守ってきたことが分かった。きょうは千日分の御利益があるので、絶対にお参りしたい」と話していた。

 唐川の住民約40人が参拝客をもてなし、氏子総代の代表を務める杉山弘さんは「前日は大雨警報が出たので気がかりだったが、無事に法要をできた。嬉しい反面、4年ぶりなので準備が大変でした」と振り返った。

2023年7月10日

手作り布ぞうり「やわらか〜い」

沢本さん、木之本こども園にプレゼント

 高月町尾山の沢本すみよさん(76)が木之本認定こども園の園児のために布ぞうりを手作りし、10日、プレゼントした。園児はさっそく履き心地を確かめ、「やわらかい」「気持ちいい」などと大はしゃぎだった。

 同園の中川美和子園長が昔話に登場するぞうり履きのおばあさんに扮して園児に昔話の絵本を読み聞かせていたところ、園児から「僕たちも履きたい」などとリクエストがあったことから、布ぞうり作りの名人である沢本さんに協力を打診した。

 沢本さんは日ごろから不用になった布切れなどを縫い合わせて衣服や小物などを手作りし、自身を「もったいないばあさん」と呼んでいる。園からの依頼を受け、布団や風呂敷、浴衣などの布を使って1つずつ丁寧に編み上げ、年長組の園児37人分を約2カ月かけて手作りした。ピンクや青など色使いも鮮やかで、「汗を吸うように綿を使った。子どもたちがどんな顔や足をしているのかなと想像を膨らませて作った。気に入ってくれると嬉しい」と話していた。

 この日、園児が沢本さん宅を訪れ、直接、布ぞうりを受け取ると「可愛い」「履きたい」と大喜び。さっそく園に持ち帰って履き、布の感触を楽しんでいた。

2023年7月7日

スペイン学生、金継ぎ修業

「不完全な美」に魅了され、塗師・杉中さん指導

 欠けた器を漆で接着して金で装飾する日本の伝統技術「金継ぎ」を学ぶため、スペインの市立バルセロナ大学で文化財修復を専攻するマリーナ・デュアルテさん(22)が3日来日し、16日までの2週間、仏壇仏具店「宗永堂」(国友町)の店主で塗師の杉中伸安さん(59)のもとで修業に励んでいる。

 金継ぎは、壊れた物を直して大切にする精神性とそのデザイン性が評価され、海外では「KINTSUGI」として注目を集めている。

 マリーナさんも大学で建築物やフレスコ画、陶磁器などの文化財修復を学ぶうちに金継ぎに魅了され、漆を輸入して手探りでチャレンジしてきた。本格的に学んで論文を制作するため訪日を決意し、海外向けの金継ぎ紹介サイト「The kintsugi Labo Japan」を介して宗永堂に行き着いた。

 宗永堂の工房では杉中さんの指導で金継ぎの技法や道具作りを一から教わり、金継ぎ紹介サイトを運営している磯野研さん・三知恵さん夫婦(栗東市)が通訳を買って出ている。

 6日には割れた皿の修復に挑戦した。断面に竹べらで麦漆を丁寧に塗り、優しく力を入れて接合。接合面に段差ができていないか、杉中さんが確認していた。マリーナさんは独学で金継ぎに挑戦していたこともあり、竹べらの使い方も手慣れ、杉中さんは「とても上手」と感心していた。

 杉中さんは「限られた期間だが、できる限りのノウハウを伝えたい。スペインにある材料で金継ぎに必要な道具も作れるように指導したい」と話している。長浜滞在中は社寺仏閣や博物館なども案内し、漆文化への造詣を深めてもらいたい考えだ。

 「壊れた物をただ修復するだけでなく、新しい価値を生み出す日本の文化と精神性、傷があっても美として愛でる『不完全な美』に魅了される」とマリーナさん。「本格的な金継ぎを学び、教えられたことを生かしてスペインで一番の金継ぎアーティストになりたい」と話している。

2023年7月6日

創作活動の成果、発表して!

長浜文学祭 8部門で作品募集

 長浜文学協会(林多恵子会長)は第65回長浜文学祭の作品募集要項を発表した。文学に関する日ごろの創作活動の成果を発表する場で、高校生以上を対象に8部門で作品を公募する。

 【小説】400字詰め原稿用紙30枚以内▽1作品▽選者・山口一(小説家、彦根市民文芸選者)。

 【随筆】400字詰め原稿用紙5枚以内▽1作品▽選者・杉山啓志(文筆家、翻訳家)。

 【詩】400字詰め原稿用紙2枚以内▽2作品以内▽選者・尾崎与里子(詩人)。

 【短歌】3首以内▽選者・前川登代子(「好日」編集委員)。

 【俳句】▽3句以内▽選者・藤田真木子(岐阜聖徳学園大学教授)。

 【川柳】題「客」「妻」「自慢」▽3句以内▽選者・大島凪子先生(川柳作家)。

 【冠句】題「人のため」「健やかに」「聞き上手」▽3句以内▽選者・山中流石(滋賀文学祭選者)。

 【情歌】題「やわらかい」「感謝」「宝」▽3首以内▽選者・杉中花友(湖国文芸鳰誌主幹)。

 募集期間は8月1日から9月10日まで。参加料は1部門につき1000円(高校生は無料)。所定の用紙に必要事項を記入のうえ、申し込む。募集要項はまちづくりセンター、滋賀夕刊新聞社(八幡東町)などで配布している。ダウンロードは右記URL(https://tinyurl.com/2xv7sj3z)から。

 芸術祭賞、特選、入選などを選び、12月2日に表彰式を行う。小中学生を対象にした「長浜子ども文学賞」の作品と合わせて入選作品集「長浜文学」にまとめ、応募者全員に配る。

 林会長は「長浜文学祭は俳句、短歌をはじめとする文学作品で自由に自分の思いを発表する場。応募を通じて湖北地域の文学を育ててほしい」と呼びかけている。

 問い合わせは事務局の阿閉正美さん℡090(6975)9334へ。

2023年7月5日

夏だから、ホラーで涼しんで!

29日豊公園  お化け屋敷などイベント多彩に

 長浜青年会議所と地元の高校生・大学生有志が29日に豊公園で開くイベント「LINK  UP  FESTA2023」(同実行委主催)に向けて、準備を進めている。

 湖北地域の魅力を若者とともに発信しようと、青年会議所が地元の高校生や大学生に参加を呼びかけて実行委員会を結成した。若者に企画・運営に関わることで将来のまちづくりの担い手に成長してもらいたい、との思いも込めている。

 呼びかけに応じた高校、大学生約40人が企画・運営やポスターのデザインなどを手掛け、若者のアイデアをちりばめたイベントに仕上げている。

 当日は豊公荘をお化け屋敷にするほか、オリジナル振り付けの「BON踊り」、お化けに仮装した若者による「ホラーパレード」、スカパンクバンドや地元バンドによるライブ、ダンスパフォーマンス、eスポーツ大会、巨大かるた大会、コスプレ撮影会、灯ろう流しなど多彩な催しがある。キッチンカーや、飲食・物販・体験などのブースが並ぶマルシェもある。

 4日夜には実行委員会のメンバーが長浜文芸会館に集まり、ホラーパレード用のメイクを行い、PR写真などを撮影した。顔に「傷メイク」を施した清水日愛さん(長浜北星高3年)と木田千聖さん(同2年)は「可愛い傷メイクと可愛い浴衣でパレードに参加してほしい。夏だからこそホラーで涼しんで」と来場を呼びかけた。

 広報担当の吉岡真さん(同3年)と山岡倖之さん(同2年)はポスターのデザインなどを手掛けた。「普段、関われることのない人と一緒にイベントの企画ができ、貴重な体験となっている。世代を問わずいろんな人が楽しめるイベントになれば」と話している。

 「LINK  UP  FESTA2023」は午前11時から午後9時まで。入場無料。詳細はインスタグラム(https://www.instagram.com/link_up_festa_2022/)などで発信している。

2023年7月4日

高校・大学生の居場所「サードプレイス」開設

えきまちテラス長浜1階 勉強、おしゃべり、ゲーム自由に

 長浜市は3日から、えきまちテラス長浜1階のフリースペース「長浜カイコー」を高校生、大学生に無料で開放している。自宅でも学校でもない第三の居場所「サードプレイス」で自由に時間を過ごしてもらうことで、若者の「やりたいこと」を引き出すとともに、地域とのゆるやかな交流にもつなげたい考えだ。

 サードプレイスは職場や学校など義務的に訪れる場所ではなく自らの意志で訪れる「居心地よく過ごせる場所」などと定義され、コロナ禍で人間関係が希薄化する中、注目を集めたキーワードでもある。

 「おしゃべりしたい」「勉強したい」「ゲームしたい」「ぼーっとしたい」と、過ごし方は自由だ。テーブル、椅子、電子レンジ、電気ケトル、冷蔵庫を備え、飲食物を持ち込める。無料WiFiもあり、インターネットやスマホゲームに熱中することもできる。平日の午後3時から同7時まで開放している。

 初日の3日は高校・大学生23人が利用した。勉強、おしゃべり、ボードゲームなど思い思いに時間を過ごし、利用者からは「リラックスして利用できた。雰囲気がいいので楽しめた」と好評で、早くも利用時間の延長や土日開設を求める声が出ていた。

 市が参考にしたのは東京都文京区にある学生向け施設「b—lab」。同区が複合施設内に整備し、談話スペース、運動室、ホール、研修室などからなる。中学・高校生の「秘密基地」として支持を集めている。

 長浜駅周辺に高校生らが集って自由に過ごせる場所がないことから、7月21日までの期間限定の実証実験として開設し、「学校や部活動の帰り、塾の合間など、すき間時間に自由に利用して」と呼びかけている。

 市こども若者応援課は「利用者同士の交流が生まれ、やりたいことを見つけたり実現したりする場になれば」と期待を込め、「好評であれば夏休みも継続したい」と話している。

2023年7月3日

子ども歌舞伎、役者7人決定

11月の「絵本太功記」上演へ稽古開始

 長浜曳山まつり推進会議(吉田豊会長)が企画した子ども歌舞伎発表会(11月26日、長浜文芸会館)に向けた開講式が2日、さざなみタウンで開かれ、公募役者7人の配役が決まった。

 長浜曳山まつりの子ども歌舞伎の役者は山組関連の男児に限定されているが、発表会は子ども歌舞伎文化の普及のため、住所、性別を問わず、小学生4年生から中学生1年生を対象に広く公募し、男女7人が応募した。

 開講式では指導者の岩井小紫さんが「しっかりお稽古して、楽しくお芝居しましょう」と呼びかけ、台詞(せりふ)を録音したCDと台本を手渡した。

 花澤橙(おれんじ)さん(長浜小4年)は「普段の曳山まつりは女の子が出られないので応募した。お姫様役で嬉しい。女子が1人だから少し不安だけど、頑張りたい」と話した。妹に付き添って応募した兄の新さん(同5年)は今年の曳山まつりにも出演。「お客さんが感動できるような演技をするため、いっぱい稽古したい」と話した。

 演目は秀吉による長浜開町450年を記念し、「絵本太功記十段目尼ヶ崎閑居の場」。夏休みや土日の計28回、曳山博物館伝承スタジオなど複数会場で稽古を行う。役者は次のとおり。

 ▽武智十兵衛光秀=花澤新(長浜小5)▽武智十次郎光義=吉田櫂(神照小5)▽操=小塩公靖(長浜南中1)▽初菊=花澤橙(長浜小4)▽皐月・加藤虎之助正清(交代で二役)=川上充輝(木之本小4)、岡村尚明(南郷里小5)▽真柴筑前守久吉=上山寿輝(長浜小5)。

2023年6月30日

ガラス体験充実、大人かわいい品揃え

黒壁スクエアでリニューアル第1弾

 黒壁は「ガラスマジックパーク」を新たなコンセプトに、黒壁スクエア全体のリニューアルを計画。第1弾として黒壁体験教室などを移転してメニューや品揃えを充実させ、これまで以上に気軽にガラス加工を楽しめ、「大人かわいい」商品にも出会えるようになった。

 黒壁はコロナ禍の直撃を受けて4年連続の赤字決算となる苦境に立たされているが、地域活性化と市街地観光をけん引するまちづくり企業としてその持続性が求められている。現在、2年前に就任した田中猛士社長の下、各店舗のコンセプトや配置などを見直し、段階的にリニューアルを進めている。

 新たなコンセプトの「ガラスマジックパーク」は、黒壁スクエア一帯を風情ある街並みとガラス工芸の美が合わさった「ガラスの街」とするもの。

 北国街道から路地を通った先にあり目立たなかった黒壁体験教室は、観光客でにぎわう黒壁ガラス館の隣に移転。グラスの表面を削って模様を描く「カットガラス」、色ガラスを使ってガラスの皿やアクセサリーを作る「フュージング」、コップや一輪挿しを作る本格的な「吹きガラス」など8種類の制作体験ができる。店舗名は「ガラス体験アトリエ ルディーク」とした。「ルディーク」は仏語で「遊び心のある」という意味で、黒壁は「いろんなガラス素材と技で、ものづくりの楽しさを届けたい」としている。

 黒壁ガラス館の向かいにはガラスショップを開設。「心がときめく大人かわいい」をテーマにグラス、器、アクセサリーなどが並ぶ。ガラス職人が1点ずつ手作りしたリングスタンドや、ガラス端材をアップサイクルしたピアスなど、個性的な商品も。店名は仏語で「宝石箱」を意味する「エクラン」。「自分へのご褒美や、大切な人への贈り物など、日常生活を彩るガラス商品を見つけてほしい」と話している。

 このほか、「ガラス体験アトリエ ルディーク」への通路に風鈴や造花で飾ったインスタレーション(展示空間)「花降る小径」も設け、観光客の写真スポットとなっている。