2020年1月1日

親の代理お見合い、ご縁届けて15年。良縁親の会

小谷丁野出身の脇坂章司さん設立

 親同士の代理お見合いを企画している一般社団法人「良縁親の会」(京都市)は2020年で設立から15周年を迎える。良縁親の会は、未婚率の上昇や少子化の進展に日本の行く末を案じた長浜市小谷丁野町出身の脇坂章司さん(86)=写真=が05年に設立し、代理お見合い「結婚支援フォーラム」を全国で開催してきた。昨年11月末までに累計442回開催し、延べ3万4000人が参加してきた。良縁親の会の設立背景から、これまでの取り組み、今後の展望などを脇坂さんに聞いた。

 

——良縁親の会を設立した経緯は?

 長年、ブライダル関連の会社で婚礼衣裳の取り扱いをしていました。定年退職後、「パラサイト・シングル」などと独身者が注目されていたことから、何かしら結婚をお手伝いできないものかと考えていたところ、一人っ子政策が進んでいる中国で子どもの結婚相手を親が探しているニュース番組を見たのがきっかけでした。日本でも息子や娘の結婚相手を探している親が多いはずだと、親同士のお見合いを思いつきました。当時72歳でしたが、長年、婚礼に携わってきたので恩返しをしたいという気持ちも強かったです。

——一般的な結婚相談所は独身男女のお見合いをサポートしますが、なぜ親同士のお見合いとしたのですか?

 長年、ブライダル関係の仕事をしていて気づいたのですが、親同士の仲が良いカップルほど離婚する確率が低いような気がします。「離婚なき結婚」のためには親が絡まなければならないと思いました。それが親同士のお見合いの開催につながりました。

——15年間の歩みを振り返ってください。

 初めての開催は京都でしたが、その後、大阪、名古屋、神戸に広がりました。2010年には九州で、翌11年には関東で初めて開催し、12年には累計参加者数が1万人を超えました。近年は自治体も後援してくれて輪が広がっています。17年には親と子が一緒に参加できるアラフォー向けの婚活「芳縁の会」もスタートさせました。現在は宮城県と福岡県に支部があります。

 良縁親の会はメディアに取り上げられていることもありますが、参加した親御さんの口コミで参加者の輪が広がり、今では年間50回近くの結婚支援フォーラムを開いています。

 成婚報告は求めていませんが「結婚しました」とお礼の手紙が届くと、やっていて良かったと思います。一番嬉しい瞬間ですね。

——親同士のお見合いがうまくいく秘訣はあるのでしょうか?

 こればかりは双方のご縁と言うしかないですが、親のエゴや頑固さ、子のわがままがご縁を遠ざけている面はあります。親が子の結婚相手に求める条件が厳しすぎて身上書の交換にすらつながらないケースもあります。本人同士がお見合いしないことには前に進まないのですが、そこにすら至らないのは、もったいない話です。極端な例ではフォーラムに80回参加しても、結婚が決まらない方もいますが、これも条件を絞ることによってご縁を遠ざけているのだと思います。

——50歳まで一度も結婚をしたことがない人の割合を示す「生涯未婚率」は上昇を続け、2015年には男性23・4%、女性14・0%となっています。男性の4人に1人、女性の7人に1人が一生独身なわけですが、未婚率の上昇をどう考えますか?

 現代は勇気をなくしている男性が多いと思います。振られたら恥ずかしいと。ダメ元の心意気でアタックして欲しいものです。また、女性は収入が多くなり、バリバリ働いて独身生活を謳歌しています。女性の自立も未婚率上昇の背景でしょう。企業はもっと結婚を支援すべきでしょう。内部留保を増やすばかりでなく、結婚祝い金や子育て支援など、結婚を後押しすべきです。企業の経営者は日本の将来をもっと考えるべきではないでしょうか。

 

今年7月8日 多賀大社で開催

——最近は神社でも結婚支援フォーラムを積極的に開催しているそうですね。

 神社で開催するのは、神様の力を借りる「神頼み」の側面もありますが、日本人の心の拠り所である神社でご縁を紡いでほしいとの願いを込めています。

 2009年の神戸市の生田神社会館に始まり、全国の神社で積極的に開いています。昨年は西宮市の西宮神社、大阪市の住吉大社、名古屋市の熱田神宮など6カ所で開きました。今年2020年は7月8日に多賀大社でも開催することが決定しました。

——今後の展望は?

 今後も地道にこつこつと、結婚支援フォーラムを全国で開催したいと思っています。まだまだ、私たちの取り組みを知らない方も多いです。2020年は設立15周年という節目の年となります。より多くの困っている方にご縁を届けたいと思います。

 

【良縁親の会】良縁親の会は全国で代理お見合いの会「結婚支援フォーラム」を開催している。フォーラムでは子の職業や年齢、身長、趣味、性格などのプロフィールを掲載した名簿をもとに、親が子のお見合い相手を探し、互いに条件が合えば、親同士で身上書を交換。お見合いにつなげる。成婚報告や報酬は不要で、気軽に参加できることから人気を集めている。

2019年12月27日

大玉のトマト、完熟!

脱サラの宮川さん、試練乗り越え

 下之郷町の宮川忠幸さん(44)は脱サラして、今シーズンからトマト栽培に挑戦。さまざまな試練を乗り越えながら、完熟の大玉トマトを出荷している。

 宮川さんは2年前、「思い切って農業を生業にしよう」と勤めていた会社を辞めた。実家は稲作中心の兼業農家だったが、新たなことを始めようと考えた。イチゴ栽培も視野に入れたが、湖北地域には競合する農家が多いことからトマト栽培に挑むことにした。

 8月に苗を植え、ビニールハウス内を暖房で温めて、トマトの流通が少ない冬の間、収穫できるようにしている。これまで375平方㍍のビニールハウス1棟を1人で世話してきた。

 ハウスでは大玉を中心に生産しており、水管理など初心者にとってトマト栽培は苦戦の連続だった。しかし、今では苦労が実り、中には400㌘以上のトマトもとれるように。一応のメドが立ち、ハウスを増築してトマト栽培に本腰を入れようとした矢先、父の忠治さん(享年70)が先月、急逝。父がしていた稲作など、農業全般をすべて自分が担うことになった。

 「トマトを続けるか否か」—宮川さんは「人とのつながりが増え、さまざまな人と出会えることが楽しく、励みになっている」と来年もトマト栽培にチャレンジする。「地方のものと違い、完熟した状態で出荷している。生産者の顔が見える真っ赤なトマト」と自慢げに話す宮川さん。今期の出荷は1月中旬まで続く。

 なお、大玉トマトは道の駅「浅井三姉妹の郷」、フレンドマートに卸している。一部は自宅でも1個200〜300円で販売。直売所は下之郷中町の南側。赤い幟が目印。31日と1月1日休み。

2019年12月26日

田中碧さん、ニッコール大賞に

ニコンのフォトコンテストで最優秀

 西浅井町大浦の田中碧さん(14)は第67回ニッコールフォトコンテスト(ニコン主催)トップアイ&キッズ部門で最優秀のニッコール大賞を受賞した。

 田中さんは叔父の影響で小学1年からカメラに興味を持つようになり、写真好きの父・伸征さん(50)とともに奥琵琶湖をフィールドに昆虫や動物が融和した風景写真を撮るようになった。

 県立河瀬中の写真部に入り、これまで数多くのコンテストに入選、入賞。今年も「キヤノンU—30部門」で佳作、「JPS(日本写真家協会)U—18部門」で優秀賞を受賞している。

 

 

 ニッコールフォトコンは一般を対象とした「モノクローム」「カラー」「ネイチャー」と18歳以下の「トップアイ&キッズ」の4部門あり、プロアマ問わず、参加できる。今回は4万1249点の応募があり、うち「トップアイ&キッズ」には1105点がエントリー。

 田中さんの作品「きらめきの向こう側へ」は琵琶湖岸の木に吊るされたブランコに乗る少女を写した作品。スローシャッターや偏光フィルターを使っており、鮮やかな光景の中、人物や木の幹だけが、ブレている。審査員からは「明日や未来を強く感じる作品。背景の山並みなどがブレておらず不思議な1枚」と高評価を得た。

 田中さんは「思いつきで撮れた写真。これまで動物を中心に撮影していたが、人物にも自信が持てるようになった。これからもどんどん撮ってゆきたい」と受賞の喜びを語っている。

2019年12月24日

長浜農高生徒、草木染めに挑戦

伝統の近江刈安を継承

 長浜農業高校で24日、古くから染料として使われている近江(別名・伊吹刈安)の草木染め体験があり、生徒たちが布を鮮やかな「からし色」に染め上げた。

 「刈りやすい草」として名付けられた刈安はススキ科の多年草で、各地に自生。天平時代から染料として利用され、中でも伊吹山3合目付近の刈安は周りに木がなく、日がよく当たるため、良質な色素を持っている。発色が良く、平安時代、黄色染料として朝廷にも納められた。近代は化学染料の普及などで、手間がかかる草木染めは減少し、近江刈安の栽培地や業者も無くなっていった。

 同校食糧生産分野の2年生は10月から、近江刈安を復活させるプロジェクトを開始。これまで伊吹山や西浅井町の山門湿原などで刈安を採取し、調査研究をしてきた。

 この日は生徒12人が米原市春照で「工房いぶき野」を主宰する的場いつ子さん(75)から近江刈安による染色法を学んだ。生徒たちは乾燥させた刈安を湯で煮出し、染液を抽出。板や洗濯ばさみで絞ったハンカチを液に浸し、ミョウバン(媒染剤)で定着させると、きれいな絞り染めができあがった。

 的場さんは「地元で草木染めをしている所は少ない。生徒たちがきれいに染め上げてくれて嬉しい」と話し、児玉聖人君は「染液の温度調整など難しかったが、手間がかかる分、楽しみが多い」と話していた。

2019年12月23日

長浜赤十字病院、NICUに県内初の個室

新生児医療の充実へ

 地域周産期母子医療センターに指定されている長浜赤十字病院で、NICU(新生児特定集中治療室)と、併設のGCU(新生児治療回復室)の改修工事が完了し、23日、竣工式が行われた。県内初となる個室を設けて家族で過ごせる場を提供するなど、新生児にも家族にも優しいゾーンに生まれ変わった。

 同病院は湖北・湖東地域の周産期医療の中核を担っているが、スペースが手狭だったことから、今年5月から約4億円をかけて改修工事を行っていた。面積を従来から倍増させ、NICUとGCUを合わせて2床増の21床体制とし、家族で過ごせる個室も計3室を新設した。県内でNICUとGCUに個室を設けるのは初めてという。

 また、吊り下げ式作業ユニット、点滴調剤室、医師・看護師控室などを設け、天井には間接照明を取り入れて新生児が「母体内」に近い環境で居られるよう配慮している。

 

 

 竣工式は長浜保健所、滋賀医大、県、長浜、米原両市から来賓を招いて行われ、楠井隆院長は改修工事で新しい機能が充実したことに触れながら「県北部の小児医療の一端を担っていきたい」とあいさつ。テープカットで竣工を祝った。

 同病院新生児科の山本正仁部長は、家族が周りの目を気にせずに過ごせる個室を設けることによって「ファミリーセンタードケア」(家族中心の治療・看護)が実現できると話している。

2019年12月20日

早川鉄兵さん初作品集、 絵本「白鳥になった王子」

古事記題材に 伊吹山の動物達が登場

 米原市を拠点に活躍する切り絵作家・早川鉄兵さん(37)が初の作品集となる絵本「白鳥になった王子」を能美舎(木之本町大音)から発行する。

 古事記の「伊吹山の白猪」を題材に、早川さんがオリジナルのストーリーを創作した。ある国の王子が山の神に決闘を挑もうと山へ向かい、先々で出会う動物たちに思い留まるよう説得されるが、聞く耳を持たずに山の奥へと進んでゆく物語。シカやキツネ、クマなど伊吹山に生息する野生動物の生き生きとした姿を早川さんが17点の切り絵で表現している。

 古事記の「伊吹山の白猪」は荒神退治へと伊吹山に入った日本武尊が荒神の白猪が降らせた氷雨によって返り討ちに遭い、山麓の湧き水で正気を取り戻す物語。絵本では日本武尊を「王子」、伊吹山を「北の山」としている。また、古事記では山中の描写がないことから、早川さんが想像をめぐらせて、日ごろ出会う動物たちを登場させた。

 早川さんの切り絵に魅了された能美舎代表の堀江昌史さん(33)が早川さんに絵本の製作を提案し、約1年かけて完成させた。堀江さんは「動物がたくさん出てくるので小さな子どもでも楽しめる。アートに触れるきっかけにもなれば」と話している。A4判40ページ。2200円(税別)の一般流通版と、切り絵の複製を付録にした3000円(同)のイベント販売用がある。1月14日から一般販売予定。問い合わせは能美舎℡080・2079・4692へ。

 絵本「白鳥になった王子」の発刊を記念して、1月5日から13日まで、ながはま文化福祉プラザ(さざなみタウン内)で原画展などが開かれる。

原画展とワークショップ

 プラザ内に絵本の原画をはじめ早川さんの作品を展示する。12日午後1時半からは多目的ホールで早川さんのトークイベントと絵本の読み聞かせ(定員100人、無料)。11日午前10時、午後1時半、13日午前10時、午後1時からは動物切り絵ワークショップ。11日が子ども向け(定員各回20人、参加費1000円)、13日が大人向け(35人、2000円)。申し込みは、ながはま市民協働センター℡(65)6525へ。

2019年12月18日

聖火ランナー、湖北から5人

県実行委員会が 内定者53人を発表

 2020年東京オリンピック聖火リレーで県内を走行するランナーのうち、県実行委員会枠のランナーが内定し、17日発表された。湖北地域からは長浜市の女性消防士・杉本夏穂さん(24)ら5人が選ばれた。

 内定者は53人で、滋賀ゆかりの著名人は騎手の武豊さん(50)、ミュージシャンの西川貴教さん(49)、元プロボクサーの山中慎介さん(37)、ファッションモデルのSHIHOさん(43)、元フリースタイルスキー・モーグル選手で冬季五輪に3回連続出場した伊藤みきさん(32)らが選ばれている。また、バレーボールVリーグ女子の東レ・アローズの選手10人も聖火ランナーを務める。

 公募で選ばれた杉本さんは中学生時代の職場体験で消防署を訪れたのを機に救急救命士に憧れ、現在は湖北地域消防本部初の女性消防士として活躍している。聖火ランナーの応募にあたっては自身の生まれた故郷を守るため消防士を志したことなどを記したという。「防火意識の啓発や、救急知識をアピールする良い機会になれば。故郷を火災などから守る気持ちを込め、女性消防士の先駆者としてもしっかり走りたい」と話している。

 このほか、長浜市内からは長浜養護学校3年の福井響さん(18)が車いすで聖火リレーに参加する。

 米原市内からは、元中学校校長で健康運動指導士として活動する高畑律夫さん(70)ら3人が選ばれた。高畑さんは現在、「カイロプラティックらくらく堂」を運営しながら老人会へ健康指導に出向くなど、地域の高齢者の健康づくりをサポートしている。聖火リレーでは「私が走ることで高齢者や患者を元気づけ、地域の人の健康意識を高めるきっかけになれば」と話している。

 このほか、米原市内からは元県議会議長で県ホッケー協会会長の辻村克さん(79)、長浜養護学校3年の吉川葵さん(18)が選ばれている。

 

県内の聖火リレー 5月28、29日

 県内の聖火リレーは5月28、29日に行われる。28日はマキノピックランド(高島市)から出発し、県南部を中心に各市町をリレーした後、大津港業務用地(大津市)を目指す。29日は水口スポーツの森陸上競技場(甲賀市)を出発し、県中部・東北部の各市町を巡り、豊公園(長浜市)をゴールとする。高島市のメタセコイア並木、時代劇の撮影場所としてもよく使われる近江八幡市の八幡堀付近、国宝の天守をはじめ数々の重要文化財が現存する彦根市の彦根城など、それぞれの観光名所などを盛り込んでいる。

 米原市内は米原駅西口から中多良南交差点までの1・5㌔、長浜市内は長浜水道企業団から豊公園までの1・8㌔。どのランナーがどこを走るのかは決まっていない。

2019年12月17日

伊香高生が地元経営者・若者から学ぶ

湖北の宝、仕事に生かし

 伊香高校で17日、地元の経営者や若者から地域の良さについて学ぶ授業「長浜人に学ぼう」があり、2年生94人が今後の進路に役立てた。

 授業では地元企業の人事担当者や同校OB、長浜市地域おこし協力隊の元隊員ら15組が講師となり、「長浜の良さ」「経営内容」「地域での取り組み」「就職や進学に向けてのアドバイス」などを語り、生徒たちは5〜8人のグループに分かれ、3組の社会人から話を聞いた。

 ウッディパル余呉の運営、婚活、コンサートなど、さまざまな事業を展開しているロハス長浜・常務の前川和彦さん(47)は10年前、「賤ヶ岳や鶏足寺など地域の宝がいっぱいある」「あるものを使おう」と地域資源を生かした同社を設立した経緯を説明。「地域に愛着がないから若者は都会に出る。私たちは地元に住んでもらえるよう、仕事作りをしている」と述べた。

 また、自分の生き方を考える上で「外(都会)に出る体験も大切。やろうと思う人、気がある人は仕事ができ、上手くなる」とし「チャレンジして、自分が何をしたいか考え、自分自身の役割を果たしながら、チームワークを大切にしてほしい」とエールを送った。

2019年12月16日

日本一のスポーツメーカー目指して

米原出身の長谷川さん、ブランド立ち上げ

 米原市顔戸出身の長谷川直輝さん(25)がスポーツウェアメーカー「NHTH」を立ち上げ、ブランド「New Heights(ニューハイツ)」の商品展開を始めた。16日からJR長浜駅前のえきまちテラス長浜で展示会を開き、「まずは地元にこのブランドを根付かせたい」と話している。

 高校生時代までサッカーに取り組んでいた長谷川さん。ユニフォームなどのスポーツウェアを研究し、中学生時代には「もっとスタイリッシュなスポーツウェアを作りたい」と、早くもスポーツブランドの立ち上げを夢見ていた。高校卒業後は服飾・ファッションの専門学校に進学し、その後、服飾関係の企業でOEM(相手先ブランドによる生産)に携わるなど、ブランドの立ち上げ準備を着実に進めてきた。

 社名「NHTH」は「New Heights. Tall Hopes」の略で、和約は「今よりさらに高みを目指す」。日本一のスポーツウェアメーカーを目指したいとの思いを込めた。

 展示会では、スポーツだけに限らず幅広いシーンでの着用を想定した機能的でシンプルなデザインにこだわったジャケットやカバンなど12品番を紹介している。「イヤーマフジャケット」は保温性を確保しながらも、ダウンのように着ぶくれしないデザインで、襟の部分を立てればイヤーマフのように耳や首筋を覆え、どんな顔の輪郭にもフィットするように試行錯誤したアイデア商品。「帆布ワークジャケット」は特産品の高島帆布を使った丈夫な作り。ポケットも6カ所に設け、「どんなハードな現場でも使える」と話している。

 長谷川さんを支えるのは、今年7月に結婚したばかりの妻の智子さん(24)。大手スポーツメーカーで水着のデザインなどを手掛けた経験があり、今後、水着やインナー、レディースの商品展開も目指す。

 夢の実現への第一歩を踏み出した長谷川さん。「きょうがスタート。これから認知度を上げて日本一のスポーツウェアメーカーを目指します。まずは地元の湖北地域でこのブランドを根付かせたい」と話している。

 えきまちテラスでは22日まで展示会を実施。来年1月15日からは東京・渋谷で展示会を行う。問い合わせはNHTH℡(80)9093へ。

2019年12月10日

酵素で長浜を元気に、近江バジル協会が普及活動

オーガニックバジルと発酵ドリンクを

 地元の人たちを健康にしようと新庄馬場町の近江バジル協会(寺本悦子代表理事)はオーガニックバジルと発酵ドリンクの普及に努めており、成果をあげている。

 多賀町に住む寺本さんは7年前、家族の健康を見直そうと、体に良いとされる酵素に着目。長浜バイオ大学の教授の指導で薬の効果がある山野草について学習。活動する中で、バジルに出会った。

 バジルはビタミンやミネラルなどを豊富に含んでおり、体調管理に最適な植物。イタリア料理には欠かせないハーブで、寺本さんらは3年前、バジルの良さを広めようと長浜を拠点に栽培しようと考えた。

 しかし、寺本さんたちには農業経験がなく、同大学の紹介で、長浜農業高校の元教諭・福永善吾さんの指導により湖北町小今の畑でバジル栽培ができるようになった。有機栽培の「近江バジル」は茶や発酵ドリンクに加工し、教室やイベント会場でPR活動をしている。

 

果実、野菜、木の実で。発酵ドリンク90種

 協会ではバジルの普及とともに、果物や野菜、木の実を利用した発酵ドリンク作り教室にも力を入れている。

 発酵に必要な酵素は人間の消化や代謝だけでなく、食品や医療など幅広いジャンルで応用されている。体内で働き続けている酵素は殺菌作用があり、有害な物質を分解、活動のエネルギー源を作る。

 寺本さんはこれらの作用に着目し、会員を対象にした教室や発酵ドリンク、バジルを使った料理の試食会を定期的に開いている。現在、ドリンクはリンゴ、パイナップル、生姜、トマト、マタタビ、アケビ、山ブドウ、ザクロなど約80〜90種。

 素材と同量の砂糖(てん菜)に少量のミネラルを加え、ブレンドし、常温で2カ月ほど漬け込むとできあがり。ヨーグルトにかけたり、サラダのドレッシングとして利用できるほか、炭酸水やウイスキーで割って飲んでもおいしいといい、会員からは「元気になってゲートボールや老人会に行けるようになった」「お腹の調子が良くなった」などの声も寄せられている。

 2年前、会員は150人だったが、現在は約300人。寺本さんは「毎日が勉強。皆さんと一緒に私たちも楽しい思いをしている。バジルや酵素で長浜の人たちが元気になれば」と話している。

 協会の会費は無料だが、教室参加には材料費(一式3800円)が必要。問い合わせは寺本さん℡080(3716)5257へ。